其の参拾漆 煉獄さん３ ページ38
その日、私は煉獄さんの意外な一面を知った。
子供のように無邪気な顔で蒸かし芋を食べるんだな、って。
鬼を狩るときと表情が全く違う。
煉獄さんも冨岡さんに負けないくらい強い。
任務中、どうしようもなくて死ぬかもしれないって私が戦いを諦めようとした時。
煉獄さんは、まるで火山が爆発したような勢いで現れた。
炎の呼吸を使う柱とだけあって、その戦いかたは鬼神のごとく
圧倒的な力を見せつけて鬼を狩っていくその姿はとても頼もしかった。
会話を弾ませながら芋を食べきったので店をあとにし帰宅する流れになった。
「家まで送っていこう」
「お気持ちだけで。これから冨岡さんのところに差し入れに行くつもりなので」
「そうか。なら冨岡の屋敷まで送ろう」
「そんな、炎柱様にそんなことさせるわけには……！」
慌てふためく私に煉獄さんが自分の顎下に手をそえ少し考える素振りを見せ、
「だが、蒸かし芋のお礼をしなければ」
そうこぼした。
律儀な人だ。そんなことを要求するために芋をお裾分けしたわけじゃないのに。
他のお礼を考えているのか煉獄さんは、うーんと唸っている。
なんだか、ここで断ると後にもっとすごいお礼が返ってきてこちらが恐縮しそうなので、私はやっぱり送ってもらうことにした。
急に意見を変えた私に一瞬キョトンとした煉獄さんだったけど、それはすぐに眩しい笑顔へと変わった。
その道中も煉獄さんはよく話した。
八割煉獄さんが話して、私は相づちを返すだけだったけど楽しかった。
良い時間・楽しい時間というのは流れが早いと言われるだけあって気付けばもう冨岡さんの屋敷の前だった。
「煉獄さん、ありがとうございました」
「俺のほうこそ、ご馳走になった。また任務を共にする日を楽しみにしている」
「その時は、前みたいに足を引っ張らないように尽力します」
気合いを込めてそう伝えると、煉獄さんはにこりと笑って羽織を翻し帰っていった。
その姿を見て、
(かっこいい……)
と思ってしまったのは秘密で。
その後ろ姿が見えなくなるまで見送って、私は冨岡さんの屋敷内に足を入れた。
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桜花(プロフ) - 風花さん» 改訂版は視点を変えたり、煉獄さんの出会いを早めたりと、色々と修正してますので新作として読んで頂ければと思います。風花さんを始め、既存の読者様にはご迷惑をおかけしておりますがご理解頂ければ幸いです(^^) (2021年6月24日 21時) (
レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 風花さん» こんばんは風花さん(〃ω〃)分かりにくくてすみません(><)改訂前の物は続きに行き詰まっていることもあり更新を停止しております。この先の更新は改訂版のみになります。 (2021年6月24日 21時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
風花(プロフ) - 桜花さんこんばんは(*’ω’*)お話の更新につきましてですが、これからはこちらのみという形でしょうか？理解力があまりなく把握しきれていないのですが、これからも楽しみにしております。 (2021年6月24日 19時) (レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜花 | 作成日時：2021年6月2日 7時
