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其の拾伍 義勇視点5 ページ16

おもしろくないーー

それが直近な感想だ。

桜が他の男に優しくするのがとにかく気に入らない。

蝶屋敷に来るまでに見せてくれた心配する表情は俺だけのもののはずだ。

桜は医師でもなんでもない、言ってしまえば彼女だって一般隊士に他ならない。

それなのに桜は自分の不甲斐なさを責め、その償いのためにこうしている。

彼女の微笑みと優しさにふれ、惚れない者がいるはずなかった。



「気休めになるかわかりませんが、あなたが自分でも責める必要はありません。よくやってくれました。ダメなのは私です。私が………」

「すみません!俺、そんなつもりじゃ………」



自分の発言が桜を落ち込ませたと思った隊士が顔を上げて、ばつが悪そうに言葉を途切れさせた。

桜の背後で見下ろす(睨み付けるともいう)義勇が視界に入ったからだ。

重ねられた手を放さなければ、ここで殺されるんじゃないかと思えるほどその視線は鋭く。

それを一身に浴びる隊士は、もっと桜に触れていてほしいと思う反面、早く解放してくれと願う気持ちの両方がない混ぜになったような表情をしていた。


「大丈夫です。分かってます。治療をはじめますね」



桜が隊士の腕に巻かれた包帯をゆっくりと解いていく。

義勇がこのところ桜の任務につきまとう理由。

一つは彼女自身が傷を負わないかハラハラするからだ。

桜はとにかく優しい。

他の誰かが傷つくのを極端に嫌うところがある。

そのくせ自分の身はかえりみないところがあるので、傍で見守っていないと気が気ではない時があった。

二つ目は桜がこうして心の傷を負わないようにだ。

任された隊士がこうして傷を負えば桜も己のことのように心に深い傷を負う。

気にしなくてもいいと義勇も誰もがどれだけ言っても彼女は気にするのだ。

三つ目はこうして他の男に触れさせないためだ。

治療とはいえ桜が自分以外の男に触れるなど義勇からすればおもしろくないし、それを見るたびにドス黒いものが胸の奥から沸き上がってくるような感情になる。

自分でもこのような醜い感情を持つことができるのかと思えるくらい。

だが、どれもこれも義勇が行動を共にすれば解決する問題だと思い、以来義勇は常に時間さえあれば桜に付いてまわるようになったのだ。

他者から見れば過保護の師範ではあるが、それで他の男が桜に近寄れないなら、それはそれでいいと義勇は思っていた。

其の拾陸 義勇視点6→←其の拾肆 義勇視点4



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桜花(プロフ) - 風花さん» 改訂版は視点を変えたり、煉獄さんの出会いを早めたりと、色々と修正してますので新作として読んで頂ければと思います。風花さんを始め、既存の読者様にはご迷惑をおかけしておりますがご理解頂ければ幸いです(^^) (2021年6月24日 21時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 風花さん» こんばんは風花さん(〃ω〃)分かりにくくてすみません(><)改訂前の物は続きに行き詰まっていることもあり更新を停止しております。この先の更新は改訂版のみになります。 (2021年6月24日 21時) (レス) id: 12e45606b3 (このIDを非表示/違反報告)
風花(プロフ) - 桜花さんこんばんは(*’ω’*)お話の更新につきましてですが、これからはこちらのみという形でしょうか?理解力があまりなく把握しきれていないのですが、これからも楽しみにしております。 (2021年6月24日 19時) (レス) id: 0f5aae934e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜花 | 作成日時:2021年6月2日 7時

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