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「もー負けちゃったっス」
そんな子供みたいな先輩たちに割って入ったのは、ラギーだった。
「にしてもなんスか？あれ？」
「オレのユニーク魔法だよ、
それだけでは何がどうなったのか一切分からない。だから、セトをしばいた。
「いって！テメェやんのかこら！」
「説明しろ説明」
「だから、言葉の通りだよ。共有するんだ、痛覚を」
それはなんとなく理解してる。ラギーも少し呆れたように「発動条件は？」と聞いた。
「オレに最後に触った奴」
その場にいる全員が、ラギーがいつ触ったのか思い出そうとした。僕も思い出せない。試合中ではなかったはずだ。
そんな中、レオナがイラついた顔で「そんなことも分かんねぇのか」と煽ってきた。普通に腹が立ったので「教えてくださいよ」と言うと、呆れた様子で喋りだした。
「…2回戦が終わったあと、駄弁ってたじゃねぇか。ラギーがセトの手を払った」
思い出した。
まさか、セトは…
「それを狙ってやったんだろ？なあ？」
「ええ、すべて作戦通りですよ」
狙ってたのだ。そうでなければ、あんなドヤ顔決められるはずがない。それにセトは自分のしていないことを「やった」なんて言わない。そこだけは信用がおける。
「へー、単にマゾってわけじゃないんだー。よかったー」
「A、誰のおかげで勝てたと思ってんだ」
素直に褒めると絶対に調子に乗る。だから、このくらいの反応なのだ。本当は、すごいなーって思ってる。
嘘じゃない。
「すごいっす！セト先輩」
きらきらした瞳で自分よりもずっと小さい先輩に尊敬の念を送っているジャックくん。いい子だな、本当に。心なしかしっぽが揺れてる。気づいてないな。
「僕は？ジャックくん」
そんな彼に、悪戯心で聞いてみた。
「A先輩は…」
「…ゴメン」
口ごもってしまった彼に、素直に謝る。本当に申し訳なくなった。多分、セトがこんなだったら一発殴ってたと思う。
「にしたってさぁ、なんで左手首なんてピンポイントに」
「あー勘？」
「は、」
野生の勘とでも言うのだろうか。
「あ！たしかラギーって左手で箒を持ってたな、それだ。そしたら箒から落とせる」
_______________________
セト・ワイズのユニーク魔法
最後に自分に触ってきた相手に、自分と同じ痛みを食らわすことができる。
もちろん、自分で自分を殴った痛みも共有される。
そして、相手が食らった痛みも共有される。
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しあ(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。最近ですと呪術廻戦ですかね。 (2021年3月5日 21時) (
レス) id: 46cd819be0 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 高評価しました!知ってるアニメは何ですか? (2021年3月5日 21時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2021年2月28日 20時
