Episode31 ページ32
Asaid
A「わっ私は…」
いつも、父のことを考えると思い出すのはあの惨劇の日のことばかり…
もっと長い間一緒にいた時間があったはずなのに
父さんが私を庇って連れて行かれた、あの時何故かなみだが出なくて、何が起きたか理解が追いつかなかった。
母さんが私に隠れて泣いていたのを知っている
そのときはじめてあっ父さんはもう帰ってこないんだと、それだけがただ頭にあった。
なみだが出そうだけど、母さんが泣いてるのは私のせいなんだから、泣くなんてだめだ…そう決めた
あの日から毎年、母さんはわたしに隠れてあの第一次ネイバー侵攻の日に泣いている。
あの日から私は何をした?何かしようとしたか?
父のため、母のため、自分のため、理由なんてなんでもある、なのに…何もしてこなかったこの4年間…
どうしたい?私は今どうしたいの?
父さん……母さん……
遊真「?…A?」
A「……やっぱり私…どうしたいのか、わからない。」
遊真「……やっぱりAは直ぐに嘘つくな。」
A「えっ?」
遊真「しかも今回は自分で自分に嘘ついてる…」
A「私が……自分に、嘘?」
遊真「Aはどうしたいのかわからない訳じゃない…」
A「…でも!」
遊真「俺が思うに、Aはどうしたいのかわからないんじゃない、どうすればいいかわからないんだよ。」
A「どう、すれば良いか…」
遊真「なんとなくだけど、Aは母さんに心配かけたくないんじゃないか?」
A「!!…そりゃ、母さん4年前のあの日から私にすごく過保護になって…これ以上私のせいで泣いてる母さん見たくないから…」
遊真「だから、わからないなんて答えになるんだよ。」
A「えっ…」
遊真「Aは母さんに心配をこれ以上かけたくない…けど、本音では父さんに会いたい。だから、自分がどうすればいいかわからなくなってるんだよ。」
A「……わっわたし…でも、」
遊真「じゃあAはどうしたい?」
A「…えっ、」
遊真「……父さんが生きてるとして、会いたくないのか?会いに行きたいって思わないのか?」
A「……そっそれは…会い…たいに決まってるけど」
遊真「…本当にしたいこと、やりたいこと抑え込んだままでいたらいつか後悔する。もし、今父さんに会いに行こうとしなくて、あっちで父さんがピンチになって死んだらどうするんだ」
A「!?そんなのダメ!!!」
遊真「ほら、それがAの答えじゃん。」
A「わっ私は…」
遊真「Aは大切な人にはとことん優しいんだな。」
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作者名:ruu | 作成日時:2021年3月21日 13時