婚約者から愛される方法【五条悟】

悟side ページ7

貴方「貴方に守り神の御加護があらん事を」




いつ見ても【雅】という文字が合う。




「A様、五条様がいらしゃってます」




貴方「参ります」




ピンク色の瞳が俺を捕らえる。





貴方「悟くん、こんにちは」




薄化粧が清潔感を引き立たせるからか、
太陽光が綺麗に当てられてるからか。





貴方「どうしました？」





神子という存在が似合う女だよね。
ホントに穢れが似合わない。
触れたくない…でも、触れたい。





悟「敬語」




貴方「今は仕事中ですから」




悟「今から休憩」




Aは俺の手を取って、庭を歩く。





「A様」



「守り神の御加護があらん事を」




ホントに昔から神々しいよね。




貴方「皆様にもあらん事を」




巫や巫女の頭を撫でて行く彼女。
目の下に疲れを感じる。




悟「A」




貴方「はい？」




悟「志乃とのことだけど」




貴方「？？」





なんでこんなに邪気がないんだろ。
嫉妬とか嫌悪とか。
感じられない。




貴方「悟くん、私は君に絶望した事も嫌悪感を抱いたこともないですよ」




悟「嘘つけよ」




嫌いだ。
この純粋な瞳が。




悟「志乃を抱いて、はらませて、
それでも俺が愛おしいかよ」




Aは笑顔を崩して、泣きそうな顔をして言った。






貴方「愛おしいよ…」




涙を流さず、苦笑いして俺の手を離す。





貴方「お姉ちゃんも大好き。
だから生まれてくる子も楽しみだし、私も愛したい」





あぁ。
駄目だ。




傑がよく言ってた。
ホントに良い女すぎるって。
こいつが呪術師で良かったって。




悟「…ばかじゃねーの」





Aが一般人だったら、悪霊の的になる。
傑が穢したくなる…消したくなるような人間性。





貴方「だから私の事は気にしなくていいよ」





【悟くん、私は大丈夫ですよ】





俺は昔から何一つこいつにあげてやれない。

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