誰も知らない (ページ18)

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…画面が飛ぶ。

『…雅紀はどうです？
可愛くなってきたでしょ？』

小学生くらいの二宮。

『あぁ、なんか…
自分の子供みたいだな。
前まですげぇ不細工だったのに、最近顔が整ってきて…』

松本は、寂しげな表情だった。

『…貴方と同じ、仕事をさせるの？』

『……それしか、ないよな…
金もないし…せめて…
中学までは、いいとこに行かせてやるから』

「…本当は彼…
貴方をあの店で働かせたくなかったんだよ。
でも、貴方と一緒に生きていくためには…自分が教えられることなんて、あの仕事しかないって…

彼なりに考えた結果だったの。
だから、許してあげて欲しい」

…涙が溢れてくる。

もういい。わかった。

松本さんが、
どれだけ自分を大切に育ててくれたか。

…死神の映像は、まだ続く。