検索窓
今日:1 hit、昨日:9 hit、合計:73,163 hit

15 ページ15

「私は悪魔です。
そしてこの人の、死神の友達」

「でも、かずは悪い悪魔じゃないんだよぉ。雅紀くん、かずにたくさん助けてもらったでしょ?」

「そう。俺は貴方を助けたくて。
でも助けるのも…これが最後でしょう。今日死んでしまう貴方に、貴方がどれだけ愛されてきたか、教えてあげようと思ったんです。
…余計なお世話かも知れませんが、
そのまま死ぬより、マシでしょう」


「それでは、
このVTRをご覧ください」


呆然とする俺。

死神がポケットから取り出した…
ゲーム機…のようなものから、
光の画面が照らし出される。


「このゲーム機は、万能通信機なんです。下界で見られても、怪しまれないように、形を改良してあるの。
まーくん、俺がずっとゲームしてると思ってたでしょ?」


死神が映し出した画面が変わる。


…ゴミ置き場?


小さい子供の声。

ポリバケツのそばに、
白い布で包まれた赤ん坊が泣いていた。


黒いコートの少年が通りかかり、
足を止める。


『…よしよし。いい子だね…』


少年が、赤ん坊をあやす。


これは、二宮…?


画面の中の二宮は、
中学生くらいだった。


二宮が、向こうを振り返る。

振り向いた先に、ひとりで歩く男。


ベージュのコートと、黒のマフラー。

…あれは、松本さん。


二宮が、その男を追う。

赤ん坊を抱えたまま。


男が、マンションの一室に入って行く。

表札は、“相葉”。


今の、俺達の家。


部屋のドアが閉まってから、
やってくる二宮。

赤ん坊をドアの前に置き、
去っていく。


「…えっ、お前…」

「まぁまぁ、最後まで見ましょう」


再び泣き出す赤ん坊。


しばらくして、部屋から出てくる松本。


赤ん坊を抱えあげ、困ったように周りを見回す。


誰もいないらしい。


赤ん坊に目を落とす。

突然、甘えたような声を出すその子。


松本の顔が、ほころんだ。


そのまま、部屋に入ってしまう。

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
51人がお気に入り
設定タグ:気象 , 櫻葉 , 大宮   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:紅碧 舞 | 作成日時:2014年12月16日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。