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…………

今日は、12月24日。

街は、クリスマス・イブ。

俺の、命日。


先週は、何もせず週末を迎えた。


あれから、
翔ちゃんから連絡はなかった。


…本当に、もう終わったんだ。


時々、携帯が鳴っても、
松本や、他の客からだ。

指名入ったから、早く店入れ、とか。


翔ちゃんが来ないぶん、
他の客を相手にしなきゃならなかった。

客に乱暴に扱われる度に、
彼の優しさを、思い知った。

俺がどれだけ、彼を愛していたかも。


今週になってから、二宮にも会わなかった。

あいつとも、
死ぬ前に会っておきたかったのに。


あと2時間で出勤。
松本は既に家を出て、店へ向かった。


今日の朝まで客とホテルで過ごしたから、ぼんやりするし、腰がだるい。


少し眠ろうと思って目を閉じる…。


‥‥♪‥‥♪

インターホンの音。


誰だろう…。
腰を支えながら立ち上がる。


「はい…え、ニノ…?」

ドアの外には、
ニンマリと笑う見慣れた顔。

黒のコートを着ているせいだろうか、
いつもより蒼白く見えるような…。


「…すみませんね私で。
御無沙汰でしたね。
家まで来るのは久し振りですが。

…こちら、お知り合いでしょ?」


そう言って二宮が向いた方には、
黒づくめの男。

「…死神…」


「…御無沙汰してます。
相葉…雅紀様」

「あがるよ」


二宮と死神が、家に入ってくる。


「今日はさ、貴方に。見せたいものがあって。ね」

「和也のたっての願いですよ、
雅紀君」


「…相葉さん、貴方、
幸せじゃないと言いましたね。
誰からも愛されないと」


「…うん、言った、けど…」


「そんなことはないんだと。
貴方が死ぬ前に教えてあげたくて」


「…何でニノが、俺が死ぬって知ってるんだよ…それに、何でそいつと…」


二宮が、死神と顔を合わせる。

「種明かし、しちゃいなよ…」

死神が、ニヤリと笑う。

「…でも、まーくん、
怖がるんじゃない?大丈夫?」

二宮が立ち上がる。

黒いコートのフードを被って、
後ろを向きながら俺を見て笑う。

その口元。

こいつ、こんなに歯が尖ってたっけ…


後ろ向きの二宮から、黒っぽい煙が立つ。


もう一度、くるりと振り返り、
フードを外す。


「……!」


思わず言葉を失った。


充血したような、赤い目。

尖った耳。

唇からはみ出る牙。

そして、黒い角…。


「…悪魔…?」


「…その通りです。
今まで黙ってて、すみませんでした。」

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設定タグ:気象 , 櫻葉 , 大宮   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:紅碧 舞 | 作成日時:2014年12月16日 17時

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