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「おめでとうございます!お迎えに上がりました」
…黒づくめの格好。
張り付いたような笑顔。
目の前の男は、こちらに名刺を差し出す。
“死神”
名刺にはこれだけ書かれていた。
手の込んだ嫌がらせだろうか。
仕事の後で疲れた頭では、細かいことまで考えるのはむずかしい。
「あなたの命日は、12月24日です。
…クリスマス・イブ。御愁傷様ですが…あと1ヶ月ほど、前向きに生きて下さい…」
そんなことを言って、男は消えてしまった。煙のように。
どうやら奴は死神で、今自分は死期を告げられたらしい。
死ぬこと。
そんなの全然怖くなかった。
少し前だったら、この世界からようやく消え去れることを、喜びさえしたかも知れない。
でも、今は違う。
どうして、
こううまくいかないんだろう。
やっと幸せを見つけたような気がしたのに、それを掴むことはできないんだ。
せめて最期まで、
彼の“恋人”でいられたら…。
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作者名:紅碧 舞 | 作成日時:2014年12月16日 17時