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第5話 ページ6

「お、Aちゃん達も来たみたいだね…って、Aちゃんまだ着替えてなかったの?」

Aちゃんの私服、楽しみにしてたのに〜っとボヤいている羽風先輩を横目に、私は腕を組んで考え込んでいる天祥院先輩に声を掛けた。

「先輩!夕食がないって一体どういうことですか!?」

「…正確に言うと、無い訳じゃないんだ」

天祥院先輩は肩をすくめて私を見る。

「10人分の4日分の食事が十分に作れる程度の食材は用意されてるんだ。ただポスターに書かれていたはずのシェフが存在していないから、夕飯はない」

そこで一呼吸置いた先輩がにっこりと微笑んで全員を見回しながら言った。

「僕達が自力で作らないといけないみたいだ」

「英智貴様…この上なく楽しそうな顔をしている場合じゃないぞ………」

皺が刻み込まれて消えなくなるんじゃないかと思うほどに眉を顰めて蓮巳先輩が呟く。

「だって、まるで修学旅行みたいじゃないか♪」

「グループになってご飯を作るからどちらかと言うと林間学校だな!」

「どっちでもいいからさっさと作業始めようよ…お腹減りすぎてイライラする」

「セナは美人だから怒った顔って妙に迫力あるんだよなー!」

遅れて下に降りてきた瀬名先輩達も合流して、私達は早速夕飯の支度に取り掛かった。

「林間学校でみんなでご飯作る〜って考えるとカレーライスとかが定番ですよね」

「おお!Aさん、なかなかいいチョイスですねぇ!」

「カレーは二日目の方がコクがあって上手いよな!沢山作って三食食べよう!」

「え〜朝からカレーは胃もたれ起こしそうじゃない…?」

10人が同時に作業するには少し狭い厨房。それでもそこには確かに笑い声(時々怒鳴り声)が溢れる楽しくて暖かい時間が流れていた。

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卍みきちゃま卍(プロフ) - スーダンみたいで好きだ... (2019年8月23日 9時) (レス) id: 139c03c43b (このIDを非表示/違反報告)
捕鯨船(プロフ) - 報告ありがとうございます!修正しました! (2018年2月3日 19時) (レス) id: b2d51ee9ad (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - それと、38の時"1日しかに7人"となっていました。最後に47のところ"彼を手負いの状態で彼を"となっていました。続編も楽しみにしてます! (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち@Cherry blossom(プロフ) - コメント失礼します!原作も読んだことあるのですが、また違ったキャラで読むと面白くて、とても良かったです!いくつか気になる点があるのですが、12の時"高峰"となってますが正しくは"高峯"ですよ〜。 (2018年2月3日 19時) (レス) id: bd93821e26 (このIDを非表示/違反報告)
海希 - あ、あと、この事件を知ったあと学院の人達がどんな感じなのか気になります!! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 426add2276 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつほ | 作成日時:2017年12月21日 2時

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