だいたい上手くいく【今日から俺は！！】

第10話 ページ12

【A side】


「要するに、私の言葉は単なる利己心の発言でした……。」


今は国語の授業で音読の真っ最中です…………、なのに。


三橋は所謂"早弁"というものをしていた。

しかも、全く隠す気がさらさらないようだ。


「うぉいッ！三橋お前ッ！！「ハァ"〜〜ンいッ⁈(変顔)」」


注意しようとする椋木先生を物ともせず、寧ろ威圧をかける三橋。


「………………っすごぉい、栄養学的バランスが取れたお弁当……。えぇっ 何この 茶色…… ばかりの美。ちゃっ ちゃっ ちゃっ 白。ちゃっ 茶目っ気たっぷりの…… 栄養学。から来たこの お弁当。ええっ 何お母さん、シェフ？栄養学…… 士？」

「ただのババアっす。」


椋木先生が何言ってるのか分からないですけど、三橋君、自分のお母さんの事をそんな風に言ったら駄目ですよっ！


「な、何だよこのぉ…… ちゃっ ちゃっ 白。白 茶。白っちゃ 白っちゃ 白っちゃ 白だ 白だっちゃ。白っ ラムだっちゃ弁当。これが…… 噂の。この、お弁当箱から もう お前への 三橋への愛情がもう、溢れ出ている この ラムだっちゃ弁と(ガラガラガラガラッ)お母さぁんっ！！ありがとぉーーっ！！ラムちゃあぁーーんっ」


椋木先生の叫びがこだまする。


「ハァッ……、ごめん。お母さんへのハァ…… 愛情が溢れて、ハァ、もう 愛情を大きく 叫んじゃった。」

「サンキューっす。」

「ユーアーウェルカムっす。」



キーンコーン カーンコーン……

そんなこんなで授業終わりのチャイムが鳴る。


「はい、今日の授業はここまででーす。」


一気に騒がしくなり、皆んな一斉に席を立ち始める。


「よしっ。残りは次の授業で食うか。」

『み、三橋君。何で授業中に弁当なんか食べてるんですか⁈駄目ですよっ』

「いーんだよ、これがツッパリってもんだから。」

『伊藤君を見て下さいよっ！普通に授業受けてましたからねっ！』

「アイツはアイツなりのアイデンティティがあんだろ。アイツはアイツ。俺は俺。」

「三橋さぁ〜〜〜んっ！」


廊下から走って来るツッパリ。


「おう、お前は昨日の。」

「はいっ！佐川っていいますっ！！」

『ええっ……⁈』


佐川さんって、あの出る杭は全部潰してやるぜのツッパリさんですよね⁈

三橋さん、あんな方と親しげだなんていつのまに…………。


「お前、同じ2年だろ？"さん"付けとかすんなよ。」

「自分より喧嘩つえーヤツは、さん付けっす！」

「ふーん。」

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