身長 【中原中也】 ページ14
オレンジ色の髪、青い目、そして……
「小柄な背丈。」
「あ?喧嘩売ってんのか。」
押し付けられた書類仕事も終わり、中也の部屋へと遊びに来たはいいが、中也は仕事をしていたので待たせてもらっていた。
……しかし、それも数分で飽き、中也の観察をしていると顔が整っていると感じるが、やはり身長が残念だとも感じる。
「中也とミジンコってどっちの方が大きいの?」
「俺に決まってんだろ。馬鹿にしてんのか。」
中也は机に体を向けたまま、仕事を続ける。
暇なので後ろから“ち〜び〜ち〜び〜”と小さな声で呟く。
そうして暫く、中也は反応を示さなかったが、ずっと続けているとカタンとペンを置いてこちらに近付いてくる。
中也の歩む足は止まることなく、私に向かうので、何となく後ろへ一歩下がろうとするが、体はいつの間にか中也の強い力によって固定され、逃げられないようにされていた。
「逃げんなよ。」
そう呟いた中也の顔は思いの外近く、驚く。
「……手前、俺の事チビチビって言うがなぁ俺の方が力は上だ。」
ギリッ、と中也に掴まれた腕が軋む。
「男と二人っきりの空間、それも自分に想いを寄せる男と二人っきりで何にも起こらねぇとでも思ったか?」
“A”、と切なげに名を呼ばれたと思えば中也の顔は近くなる。
思わずギュッと目を閉じるが、何も起こらない。
「……?」
ゆっくりと目を開けると、中也は私の口の横スレスレに接吻した。
「今はこれで我慢しといてやる。……二度目はねぇぞ。」
そう言って部屋を出ていく中也の顔は帽子で隠れて見えなかったが、微かに見える耳は真っ赤に染まっていた。
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零 - よろしくお願いします! (2019年5月23日 21時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - 零さん» はい、大丈夫です。遅くなるかも知れませんが必ず書き上げます! (2019年5月22日 0時) (レス) id: 6c8434df42 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 罰ゲームでメイド服着させられたのを読んでみたいです (2019年5月21日 20時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - リクエストよろいですか? (2019年5月21日 20時) (レス) id: 57759288c6 (このIDを非表示/違反報告)
山猫(プロフ) - ひよさん» 了解しました!少々お待ちください。 (2019年5月5日 12時) (レス) id: a93e3e53df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:山猫 | 作成日時:2019年2月23日 21時