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追いかけられる。 ページ13

檻から抜けだした後の戦闘シーンです。

本編24話


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もう疲れてきた。

5体と言えども命が無いのか分からないが、機械のように動く。
どんなに倒しても倒してもまた起き上がる。

これではキリが無い。

さっき化け物につけられた傷がじくじくと痛んだ。
その瞬間、何かが私の腕をつかみ、引き寄せられた。

「わっ、…坂田…?」

目の色が暗く、明らかにいつもの彼とは違う。

水穂はさぁっ、と顔を青くした。
怖い、初めて彼にそんな感情を抱いたのだ。

一瞬、何が起きたか分からなかった。

首筋に顔を埋められ、乱暴に噛まれる。

「きゃぁぁっ‼」

燃えるような痛みが走り、思わず坂田の腹に拳を食らわせ、遠のいた。

坂田が追いかけてくるのから逃れるために、傷口を押さえつつ、背を向けて走る。

「やめてよっ…、坂田…!」

目の端で見えたうらたが止めているのかすぐには追いついてこなかった。

目には光が点っていない。
うらたが追いかけ、邪魔をするがそれをものともせず、水穂だけを追いかけている。


水穂やうらたの制止も効いていない。
これを見る限り、坂田に理性はもう存在していないようだ。

「暴走状態…?」

この様子を見る限り今はそれしか考えられない。

おまけに水穂は血を出している。
坂田を止めるのは絶望的だろう。

「坂田、止まれ!それはお前の契約者だ!」

うらたが坂田に叫んで呼びかけるが、やはり聞く耳を持たない。
鎖で体を止めようとするが、ぶちぶち、と切ってしまう。

「おいおい…、坂田、お前の力が馬鹿みたいに強いのは知ってた…。けどこんなに強いなんて聞いてねーぞ!」

うらたは鎖の生成もやめず、坂田の進行を阻止した。

暫く逃げ続けたが、水穂の傷口からは血が止まらない。
視界がぐらぐらと揺れ、平衡感覚(へいこうかんかく)が無くなっていく。

「(もう、だめ…)」

足がガクンと崩れてその場に倒れる。

身体が急に重くなり、さっきよりも苦しくなった。

「⁉…契約が切れ…」

そう考える暇もなく腕を誰かにガッ、とつかまれ後に引かれる。

「(ぁ、噛まれる…)」

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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , となりの坂田,あほの坂田   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月10日 19時

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