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眼鏡の指紋を拭き取り、掛け直した後、眼鏡ふきを丁寧に畳んで仕舞う。
今日のラッキーアイテムは、ピンクの水玉メガネケース。
妹のを借りてきたのだよ。

俺は生徒会で人事を尽くすべく、会長である赤司と仕事の話をしていた。
1年生で会長なのは、まぁ赤司だから出来ることなのだろう。

「そろそろ3年生の送別会だな。これは生徒会が司会執行役を務める事になる。」

「あぁ、そうだな。」

「プログラムの作成も我々がする事になるんだけど…」

赤司が書類から目を離して、こちらを見た。

「表紙の絵を依頼しようかと思って。一応目星はつけてある。」

そう言って取り出したのは、今まで学校行事のプログラムやポスターを飾っていたイラストだった。
たしか、美術部が担当していたはずだ。

「美術部の中でも、同じ子が毎回表紙を飾っている。あとは本人に交渉するだけだ。異論はない?」

「あぁ、問題ない。」

異論も何も、赤司が決めたことだ。
絵も申し分ないだろう。
俺はさほど絵に興味が無いが、この絵にはなぜか惹きつけられた。
こういう絵を、一体どんな奴が描いているのか。


赤司とその絵の作者に交渉へ向かった。
1年生にして美術部の部長をしているらしい、うちの隣のクラスの女子だそうだ。
全生徒の名前を把握しているからといって、ここまで詳しいのは、やはり赤司だから出来ることなのだろうか。

ドアから教室をのぞこうとした時、横から「げっ」と声がした。

「なんでお前らがいんだよ…虹村さんの差し金か…?」

そういえばお前もこのクラスだったな、灰崎。

「俺たちは橙さんに用事があるんだけど、呼んでもらえるかな?」

「Aに?」

「生徒会長として、仕事の話をしたくてね。」

休み時間もそう長くは無いので、淡々と話を進める赤司。
灰崎が呼び捨てにしているのは…橙の下の名前だろうか。

「仲良いの?」と赤司が聞くと、曖昧な返事で返した。
灰崎のはっきりしない、適当なところが俺は好きじゃない。

「おいAー!赤司が呼んでっぞ!」

乱暴な、でも気の抜けたような声で灰崎が叫ぶと、教室の奥の方で、ピョコっと動くのが見えた。

灰崎の友人ともなれば、いい加減な奴が来るのかと思い込んでいた。
だが違った。

目の前に現れたのは、灰崎とはかけ離れたような存在の、大人しそうな女の子だったからだ。

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熊の木彫り


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設定タグ:黒子のバスケ , 灰崎祥吾 , キセキ   
作品ジャンル:恋愛
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ナイン(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» はじめまして。コメントありがとうございます。灰崎くんは実は良いやつなんだろうな、と思って書いてます。暖かい目でみてくれると嬉しいです。 (2018年7月5日 6時) (レス) id: 2c81737552 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 祥吾様は私の彼氏兼教祖様 祥吾様私の息子みたいに可愛い 恩人でもある (2018年7月5日 5時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナイン | 作成日時:2018年2月9日 18時

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