『勝つための戦略』その3 ページ8
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その後も2-4、2-5、2-6と遊真は順調に勝ち続けていき、
遊真が急に連続で勝ち始めたことに、次第に周りの観客達がざわつきだした。
―――「どうなってんだ……!?」
―――「緑川が全然勝てなくなったぞ……!?」
陽太郎「おぉっ!! いいぞゆうま!!」
三雲「………;;」
上機嫌で応援している陽太郎とは違い、三雲君は言葉もなくただ唖然としている。
三雲「!! …あの、泡渡先輩」
[うん?]
三雲「さっき泡渡先輩が言ってた作戦って…」
……ぁ。
さっきのひとりごと、三雲君に聞かれてたのか;;
[えーと……たぶん、なんだけど。
俺が思うに…遊真は最初の2本、勝つためにわざと負けてたんじゃないかな]
三雲「わざと負けた…?」
[そうっ。ほら、例えば……
相手を挑発して存分に煽っておいて、いざ戦うとなったら手を抜いてわざと負ける。
そうすれば相手は《やっぱりこいつは大したことないな、俺の方が断然強い》って油断するから、
その隙をついてまずは1勝]
不思議そうに俺を見てきた三雲君に、俺は出来るだけ伝わりやすいように言葉を選びながら話していく。
[さっきまで勝てていた相手にいきなり負けたりしたら、
駿みたいな性格の子は特に悔しがってなんとしてでも勝とうとムキになるだろうし。
そうなれば楽に相手のペースを乱せる。
そうやって負け続けるほど相手はどんどん深みに嵌まってしまうから、
結果的にはより勝ちやすくなっていくわけで……
だから遊真も、もしかしたらそういう考え方をしたんじゃないかなって]
三雲「それが…作戦、ですか?」
[うん。でももしそうなら…、
先に負けておくっていう戦法はあくまで10本勝負だから出来る戦い方だし、
自分と相手の実力差のこともあるから、
言うほどそう簡単はいかないかもしれないけど…
初めて戦う相手やプライドが高かったり、負けず嫌いな相手にはすごく有効的な戦い方だと思うっ]
三雲「……なるほど」
[あっ。いや、今のは俺が遊真の戦い方とかを見てそう感じたというだけで、
実際の遊真の考えは違うかもしれないし、
俺なんかの意見はあんまり鵜呑みにしない方がい…]
三雲「いえ、とても勉強になります!!」
[ぁ…ぅ…、うん……;;]
勉強熱心な三雲君に真っ直ぐな目を向けられて、それ以上は何も言えず [それは良かったです…;;]と小声で返事をした。
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platinum.wolf - ぱんろうさん» ありがとうございます…!!(*´ω`*) 毎回読んでいただけているなんて、とってもありがたいです!! 更新頑張りますっ!!(*`∇´*)ゞ (2017年2月13日 18時) (携帯から) (レス) id: e1623afd53 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんろう(プロフ) - 続編おめでとうございます!このシリーズは毎回楽しく読ませていただいています。これからも頑張って更新してください! (2017年2月13日 6時) (携帯から) (レス) id: b1f04c941f (このIDを非表示/違反報告)
platinum.wolf - 黒猫さん» そ、そんな風に言ってもらえるなんて…っ!!(*´∇`*) ありがとうございます!! これからも頑張りますっ(`・ω・´) (2017年1月30日 19時) (携帯から) (レス) id: e1623afd53 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫(プロフ) - このシリーズ大好きです!更新頑張って下さい!応援してます!! (2017年1月30日 18時) (レス) id: d6910fb79a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:platinum.wolf | 作成日時:2017年1月30日 15時