ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ46)

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はしごを登り、ひたすらに上を目指す。
そしてあと少しで頂上…といったところで、Aは再び壁画を見上げた。

目線の先に描かれるのは、何やら長いもの。
ポケモンだろうか。
日照りに大雨、その中天から舞い降りる。
まさか、これがレックウザというポケモンだろうか。
昔にホウエンを救ってくれたポケモンだということは知っているが、その姿までは知らない。

その上にはまた人々の姿……どこか祈りを捧げているようにも見える。

『この壁画、何を示してるんだろ…』

うーん…としばらく考え込みながら今までの仮説を頭の中を整理する。
ゲンシカイキしたグラードンにカイオーガ。
隕石の衝突により生まれたルネ。
舞い降りるレックウザ、祈りを捧げる人々……。

つまり、ゲンシカイキしたグラードンやカイオーガ、そこに追い討ちをかけるよう落ちて来た隕石……それらを恐れた人々の祈りに応えたレックウザが降臨し、ホウエン地方を救った…と、いうことだろうか。

それなら隕石に描かれたメガシンカの紋様はまさか……。

少しずつ、ほんの少しずつだが様々なことが繋がり始めているような気がした。
ぐっと上を見れば、頂上まで後少し。
意を決してAは最後のはしごに手を伸ばした。

『うわぁ、高っ』

はしごを登り、その先に続いた階段を登りきる。
ようやく辿り着いた頂上。
見下ろしても、雲が見えるだけで下の景色など見えやしなかった。

勢いよく風が吹き、銀青色の髪が靡いた。
思わずそれを抑えれば、ふと視界に空が映る。

『……綺麗』

思わず、呟く。
視線を上げれば広がるのは満天の星空。
輝く星たちの中で、一つ…また一つと星が流れ落ちていくのが見えた。
そういえば、今日はシシコ座流星群が見れるってニュースで言っていた気が。
ピークはもう少し遅い時間だったはずだが。

「さすがお姉さん、やっぱり早いね」
『！』

声が聞こえ振り返れば、そこにはヒガナとゴニョニョのシガナがいた。