. ページ33
「おやじ、ハルカちゃんが来てくれたよ」
「やあやあようこそ、久しぶり……だったかな?
ほっほっほ、もう歳なのかなあ。
最近細かい事をぽんぽん忘れてしまってねえ、ほっほっほっほ」
「………おやじ」
「ごほほん!わかっている、わかっているよ。
全くこのせっかちさんめ。
ポケモンリーグチャンピオンともあろうものがそんなにせっかちでどうする……ほっ?そうか。
新しいチャンピオンはハルカちゃんだったか。
ならばお前がせっかちさんでも仕方はないな、ほっほっほっほ!」
「おやじっ!!」
ダイゴが大きな声で叫ぶ。
このままでは話が進まない、急ぎの用だからハルカを呼び出したというのにこの会話は明らかに時間の無駄じゃないか。
この親子の会話にはハルカも苦笑いを溢すしかない。
「っだーー!わかった、わかったよ!
全く、冗談の通じんヤツだ」
『お父さんの冗談はタチが悪いの。
時と場合を考えて』
声が聞こえてハッと振り向く。
カツカツとブーツのヒールを鳴らしながら、先ほど別れたばかりの彼女が近づく。
いつもとは違い白衣を身に纏うその姿はとても新鮮で、リーグに挑戦したりとトレーナーとしての印象が強いが彼女はポケモンの研究者なのだと改めて思う。
テーブルに資料を置くと、ダイゴの隣に並ぶ。
ちらりと置かれた資料に目を向けてみるけれど、資料の内容は難しい専門用語ばかりですぐに目を背けた。
「冗談が通じないのはアオイも同じだな。
全く、厳しい子供たちだ。ほっほっほ!」
相変わらずのあっけらかんとした様子には、Aもダイゴもため息をつくばかり。
もう構っていられないと言わんばかりに首を振ると、Aは置かれたばかりの資料を一枚手に取り、それをハルカに手渡す。
先程は専門用語ばかりで目を背けたが…渡された手前、見ないわけにもいかない。
しかし、どれだけじっくり見ても理解できる部分はそう多くはなく…わかったのは、昔に戦争があったということだけ。
『ハルカちゃん、少しだけ私の話に付き合ってね』
85人がお気に入り
「ポケットモンスター」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2023年3月15日 22時