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「え、ハルカちゃんまだリーグに挑戦してないの!?」

「うん…」




少し俯きながら、ハルカが飲み物を口に運ぶ。

Aが飲み物を買って帰ってきた後、話題はハルカの旅のことについて。出会ったポケモンや出会ったトレーナー、訪れた地で見たこと知ったこと。
それらはAにとってとても興味深いことだった。

ハルカも最初こそ楽しそうに旅の思い出を語ってくれたのだが、リーグの話になると途端に俯いてしまった。




「せっかくバッジ8つ集めたのに…」

「私も挑戦しようと思って何度もリーグに足は運んでるんだけど…扉を前にすると、どうしても足がすくんじゃって」




声が少しずつ小さく、尻すぼみになっていく。
おそらく、あの時…Aとリーグ前で会った時もそうだったんだろう。

今日こそ、と思って向かっても、いざ目の前にすると足がすくむ。
ホウエンを救った凄腕のトレーナー…とユウキからは聞いていたけれど、蓋を開けてみれば普通の女の子。
きっと、超古代ポケモンと戦う時も相当の覚悟を持って挑んだのだろうと察するのは容易かった。




「Aさんはリーグに挑戦したんですよね?
………どうでした?」

『うーん…私が初めてリーグに挑戦したのはもう10年以上前のことなんだけど』




初めて挑んだのは、まだチャンピオンがダイゴの前任の者だった頃のこと。
Aは持ち前の才能と努力で当時のチャンピオンを負かしてみせた。
しかしその頃からポケモンが大好きで研究が大好きだったAはチャンピオンへの就任は辞退していた。




『最初は緊張するよね、四天王もチャンピオンもどんな人なのか分からないし』

「……。」

『でも結局、当たって砕けろだから。
普段のバトルやジム戦と一緒』




それに……とAはハルカの耳元に口を寄せる。




『リーグには何回でも挑戦できるから』




かれこれ私も10回近くは挑戦してるんじゃないかな。と笑うAを前に、ハルカはキョトンとした表情を浮かべる。

四天王たちは強い、その先に待ち受けるチャンピオンはさらに強い。
それでも挑戦は一度っきりなんてルールはないし、悔しさをバネに強くなった挑戦者との再戦を彼らも望んでいるだろう。

結局、四天王に勝つこともチャンピオンに勝つことも、強くなるための通過点でしかないのかもしれない。

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2023年3月15日 22時

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