ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ21)

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第5話きらきら瞬くページ21

煌びやかな衣装、輝くステージ。
繰り出される技の数々に拍手を送りながら、Aは眩いその場所を眺めていた。

『ルチアちゃん、お疲れ様』

「あ、Aお姉さん！」

コンテスト終了後…楽屋へと訪ねれば、来てくれたんだ〜！とAに駆け寄るのは、コンテストアイドルのルチア。
ホウエンでは知らない人がいないほどの人気っぷり。
Aはコンテストアイドルとしてはもちろん、ミクリの姪っ子としてルチアのことを知っていた。

『とっても良いステージだったよ。
あんな舞台で堂々と…ルチアちゃんは流石だね』

「えっへへ〜、だってコンテストは楽しいもん」

キラキラと輝く笑顔は、先程のスポットライトに照らされたステージのように眩しい。
若者って凄いわ〜と、Aは思わず目を細めた。

Aにとってコンテストはまるで別世界。
見るのは好きだが、自分でやってみたいとは思わない。
やったところで緊張して上手くできないのがオチだ。

「ルチア！」
「！」

突然開いた楽屋の扉。
何やら金髪の少年と、ダンボールを大切そうに抱えたゴーリキーが姿を見せた。
見知らぬ人物の登場にAが目をぱちぱちとさせていると、その少年はズカズカとルチアに近づいた。

「誰だよこの人！
オマエのライバルはオレしかいないって、前から言ってるだろ！」

「か、カズラくん…！」

「誰だか知らないがな！
オレとルチアはコンテストのベストライバルなんだよ！」

『へぇ、ルチアちゃんライバルいたんだ』

初めて知った、とAは驚く。
ルチアは純粋にコンテストを楽しんでいて、他の参加者とも競い合うんじゃなくて一緒にコンテストを盛り上げよう！そんな気持ちなんだと思っていた。

そんなルチアちゃんにライバルねぇ……と頷いていれば、ルチアは"ライバルとかそういうのじゃないの"。と呆れたように言う。
あ、これはカズラくんとやらの一方的な片想いか…と思わず漏れそうになった笑い声を必死に堪えた。

「カズラくん、Aお姉さんはコンテストに参加しに来たんじゃないんだよ。
こちらAさん！私のおじさまの昔からのお友達なの！」

『初めまして、Aです』

コンテストの参加者じゃないと分かれば、明らかにほっとしたような様子を見せる。
ルチアのライバルというポジションを譲りたくない……それ以上に、ルチアの周りに人を寄せ付けたくないのだろう。それは純粋にライバルとしての想いなのか、はたまた恋心故なのか……。

分かりやす〜い、と心の中で呟きながらも緩みそうになった頬を慌てて引き締めた。