ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ3)

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「あー、負けた負けた」

「お疲れ様、カゲツ」

勝負を終え、カゲツが控え室へと戻ってきた。
そこには今まさにバトルをしているフヨウを除き、四天王…そしてチャンピオンが集っていた。

カゲツは勢いよくソファに座り、天を仰いだ。
思い起こすのは、もちろん先程のバトル。

彼女のバトルの実力は相変わらず。
ボールから出された瞬間にわかるポケモンの強さ、そしてコンディションの良さ。
良い育て方をしている、それも昔からか。

「今回のチャレンジャーはどうだった？」

「あ？あー……」

驚くだろうな。
チャンピオンのダイゴの顔を見ながらそう思う。

自分でも驚いたのだ、コイツが驚かないはずがない。
彼女がホウエンに帰ってきたことをダイゴに連絡しているならともかく、彼女の性格上それはないだろう。
となれば、ダイゴは彼女がチャンピオンの間に辿り着いて初めてホウエンに帰ってきたことを知るのだ。
それも、数年ぶりに。

「ヤベェやつだった」

「そうなの？」

「あぁ、驚いて腰抜かすなよ」

さすがはあくタイプの使い手。
口角を上げて悪巧みをするように笑う。

自分から言ってもいいが、それじゃ面白くない。
せいぜい良いリアクションを見せてくれ。
彼女は絶対、チャンピオンの元まで辿り着くはずだから。

「ふふ、なかなか面白そうね。
そろそろ私の出番も来そうだし……どのくらい強くなったのか見せてもらおうかしら」

ゆったりと立ち上がったプリムが笑う。
どうやら、カゲツの思惑を理解しているようだった。
しかし、理解できないダイゴは首を傾げるばかり。

やがてフヨウも控え室へと戻って来て、カゲツと同じ感想を漏らした。
チャレンジャーは次々と四天王を破っていく。
そしてとうとう…四人目の四天王、ゲンジとのバトルにも勝利した。