ダイゴさんの姉の話【pkmn】 (ページ20)

今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:20,232 hit

. ページ20

その後もユウキはハルカのポケモンの話だとか、一緒に冒険した時の話だとか、色々なことを自慢げに話していた。
それら一つ一つに相槌を打ちながら耳を傾けていたAだったが、ある時ハッとしてニンマリと口角を上げて笑った。

『……ユウキくん、ハルカちゃんのこと好きなんだ』

「は、」

『だって話すのはハルカちゃんのことばっかりだし、表情が恋してる時のそれだもん』

途端に、ユウキの顔が真っ赤になる。
それはまるでカジッチュのよう。
そういえば、ガラル地方には片思いの相手にカジッチュを送ると恋が実るという甘酸っぱすぎる噂話があったようななかったような……。

「こ、恋人もいないAさんにそんなの分かるんですか？」

『恋人いなくても分かるくらい分かりやすいんだって』

また、ユウキの顔が真っ赤に染まる。
その表情は厄介な人にバレてしまった、とでも言いたげだった。

「ぜ、絶対に言わないでくださいよ。
誰にも、特にハルカには！」

『大丈夫大丈夫、言わないって。
私を何だと思ってるのさ』

「Aさんは釘刺したってすぐ忘れるから信用ならないんですよ」

『酷いな〜。
これでもユウキくんの恋路を応援してるのに』

酷いとは言うが、ユウキの言うことも最もなのだ。
課題を出したことすら忘れふらっと出かけていく。
帰って来たと思えば帰還の報告すらしない。

これでは信用しろという方が無理な話だ。

「マジで勘弁してくださいよ？
……俺、結構本気なんですから」

『はいはい』

笑いながら返事をするが、やはり信用ならないのかユウキはじっとりとAを見つめる。
その様子を見ながら、恋してる子は可愛いなぁ。とAはまた笑みをこぼした。