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集まった者達とは。 ページ24

No side


雫のピアスが揺れ、光を放つ。

呆れたように目を細め、靴音を響かせながら近づいてきた。


「"ポートマフィア参謀"Aくん。君も舞踏会で踊ってもらおう」


澁澤が両手を広げて迎えた。

Aは一つの椅子の後ろで歩みを止めた。


太宰と同様、服装が全く違う。

軍服風の白い外套を羽織り、首元まで釦を閉めていた。
そこには黒いリボンもある。

シャツもスカートも靴も白い。

普段下ろしている髪も、右斜め後ろで白い花の髪飾りによってまとめられている。


黒である筈のポートマフィアの面影が消えていた。


『舞踏会、ねぇ...』


納得していなさそうな顔で呟いた。


「では、僭越ながら僕がエスコート致しましょう」


ゆったりと隣に来たのはドストエフスキーだった。
紫水晶の瞳にAが映る。

その中で、Aは息を吐き、腕を組んで目を閉じた。


『喜んで断るよ』

「そうですか、残念です」


さほど気にしていないのか、フッと笑った。


「しかし、貴方がポートマフィアを裏切るとは、少し予想外です」

『そんな嘘じゃ戯曲は紡げない』


Aは先程ドストエフスキーが言っていたことをそっくりそのまま返した。
「本当は判ってたんでしょ」と問いかける。

が、ドストエフスキーは微笑むだけで何も言わない。


そんな中、クスリと太宰が笑う声が聞こえた。


「裏切りは女性の十八番だからね」

『裏切った奴がよく言うわ』


ハッと鼻で笑い席についた。

いつの間にか、ナイフの刺さった林檎が4つになっていた。


続いてドストエフスキーと澁澤も席に着いた。


「今まで私の予想を超えた者は一人もいない。
...期待しているよ」


四者四様の目的、意志が交差する。
誰が己の目的を果たし、折られ、そして裏切り、欺き、利用するかなど判らない。


そもそも彼らの目的など知りもしない。


『毒林檎を食べるお姫様は誰かな』


Aは目を細め、愉快げに笑った。

これから開催される舞踏会(悲劇)を楽しみにしている淑女のようだ。


「もっとも、一番気の毒なのはこの町の異能力者諸君です」


ドストエフスキーが歌うように言った。


「我々四人の誰が勝ち残っても、彼等は全員死ぬのですから」


極寒の地にある氷よりも冷たい笑みを浮かべた。

連続する襲撃とは。→←髑髏に4つの林檎を添えましょうとは。



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美喜 - すみません!冗談が上端になってます。 (2018年9月11日 20時) (レス) id: abfcbd5bcc (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - さくら海さん» わざわざありがとうございます!直してきますね (2018年9月4日 11時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら海(プロフ) - 誤字を見つけたので、すみません!昨日の影踏み、が、いのうになってます! (2018年8月30日 21時) (レス) id: 3420adefd8 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - 表情筋ニートさん» こちらこそ、読んていただきありがとうございます!心のオアシス「参謀とは。」頑張ります笑 (2018年8月21日 13時) (レス) id: 6db7f9f3bc (このIDを非表示/違反報告)
表情筋ニート(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます。私も文ストのアプリやってます。どのキャラクターも可愛くて、かっこよくて、心のオアシスですwこの作品も私の心のオアシスのひとつです!これからも応援しています。更新頑張ってください! (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2d1443bf10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2018年3月27日 0時

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