鼠の居場所とは。 ページ37
No side
とある
その中に白い帽子を被った露西亜人__ドストエフスキーがいた。
飲んでいた紅茶既に何も無く、イヤホンから流れるラジオに耳を澄ましていた。
最後の曲であるバッハのマタイ受難曲が流れ、潮時を告げる。
イヤホンを取り立ち上がろうとした刹那「あの」と声をかけられた。
それは青年とも言える定員だった。
新人なのか、少しオドオドした様子でドストエフスキーに話しかける。
「お会計でしょうか…?」
「はい」
「では、あちらの方に。レシートはお持ちします」
レシートを渡せば
、青年の手に包帯が巻かれているのに気づいた。
火傷でもしたのだろうか。
けれど、考えている暇はない。
立ち上がり、これからの行動を思考する。
ふと、横を見た時。
「やァ。善い
信じられない。
真っ先にその言葉が浮かんだ。
ドストエフスキーは自身の目が大きく見開いたのが判った。
何故なら其処には、太宰がいたのだから。
「流石に驚いた顔だ」
太宰はドストエフスキーの反応が面白いと言わんばかりにクスクスと笑う。
「何故此処が判ったのか、そう訊きたいのだろう?実際…極限下の一手だったよ。だが、かの"魔人"を欺くには並の手では足りないと思っていた。
__これが…私達の一手だ」
ドストエフスキーは太宰の横に座っている男に目を向けた。
整えられた金髪、空色の瞳と目が合う。
「久しいな、"鼠"」
フィッツジェラルドが新聞を机に置いた。ドストエフスキーは少し考えてから笑みを浮かべた。
「あぁ、素晴らしい。"
それはドストエフスキーが"本当に何処にいるのか"を判るためには必須だった。
取引は成立し、太宰の予測通りドストエフスキーを見つけることができた。
「成る程…これは、太宰くんに一手とられましたね」
「そう言われたいのだが、これを思いついたのは私じゃあない」
肩を竦めて言われ首を傾げる。
「太宰くんがこの作戦を作ったのでは?」
「言っただろう、
__これが…
ってね」
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玲佳(プロフ) - 凄く面白かったです! (2019年12月31日 19時) (レス) id: 30c7137208 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - ちびうささん» そう言っていただけて光栄です。イラスト…!!是非お願いします、ありがとうございます!!待ってます(正座)更新頑張りますね! (2019年1月29日 0時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
ちびうさ(プロフ) - この小説シリーズ面白くてあっという間に読んでしまった、、、。私ツイッターとかでお絵かきしてるのですがよろしければ参謀ちゃんのイラスト描かせていただきたいです!!更新楽しみに待ってます!!! (2019年1月27日 17時) (レス) id: f5433967f3 (このIDを非表示/違反報告)
はつり(プロフ) - RANAさん» もちろんです!ありがとうございます〜 (2019年1月18日 20時) (レス) id: 3cbdf99785 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - はつりさん» わざわざありがとうございます!!和装徳永とても嬉しいです!!!おにぎりは森さんに買ってもらったんですね(( ありがとうございます!!もしよろしければ小説に載せたいのですがいいでしょうか? (2019年1月18日 19時) (レス) id: 5c7b126db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年7月1日 18時