【文スト】参謀とは。2

現れた有名人とは。 ページ34

No side


太宰がパチン、と指を鳴らす。


「じゃあ本題に＿＿ぐほっ！！」

「太宰殿！？」


いきなり太宰がフッ飛ばされ、広津が今までにない素っ頓狂な声を出した。


太宰は寸前のところでコンクリートの出っ張りに捕まり、何とか海に落ちずに済む。


代わりに、海にはサッカーボールが落ちた。


構成員達が目を丸くさせる中、舌打ちが広津の頭上で聞こえてきた。
振り向くと


『こんにちは〜広津さん』

「A、何故此処に」

『そいつに呼ばれたんですよ』


クイッと顎で"そいつ"を指す。

それは紛れもない太宰だった。
本人は額に汗をかきながら、やっとの思いで地面へと登り詰める。


『もうちょっと飛ぶかと思ったのに』

「私はもうちょっとで海に墜落するところだったよ...」

『そのまま落ちればいいンだよ厨二病』


広津は内心呆れ、構成員達は目の前で繰り広げられる茶番、そしてAの登場に動揺していた。


幹部を吹き飛ばし、しかも敬語を使わず毒を吐くAは有名人だ。

まだ14歳にも関わらず、打ち立てた偉業(闇と血)のリストは誰もが卒倒する程の功績を残し、そして頭の回転の速さは太宰と同様、恐らくは上回っている。

又、Aは別の名で知られている。









"闇の支配人"









これこそ厨二病じみた名だが、裏社会で知らぬ者は恐らくいないだろう。
何故この名がつけられたのか、知っている者は逆に少ない。


Aは塀から飛び降り、死体の前にしゃがむ。


「何かわかったかい？」


太宰もAの隣へしゃがむ。

Aは黙ったまま、左手を横へ向ける。


『監視映像、あります？』


広津が合図をすると、黒服の男が写真を5枚、Aに渡す。

それを受け取って眺める。
見終わったものは太宰に渡し、太宰もそれを眺めた。

彼らの頭脳とは。→←この男に嘘は通じぬ、とは。

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