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恋人関係になってからというもの萩原研二の距離の縮め方はエグかった。
物理的な距離に加えて警察学校は全寮制。頻繁に会うことはないだろうと高を括っていた。
時間をかけてゆっくり慣れていきそれなりに恋人という形になれたらいいなと呑気に思っていた自分が甘かった。
メールのやり取りはほぼ毎日。友人関係のときにはなかった電話をするようになった。
あまりにもトップスピードで突っ込んでくるものだから最初は若干引いたもののこれが萩原研二という男なのかと早々に受け入れた。
諦めたともいう。
私が奴の恥ずかしげもなくする甘々な言動を理解できないように、奴もまた私が思う気恥しさを理解できない。
だからゆっくり時間をかけて恋人らしくなれたら、なんて甘い考えを捨て順応することにした。
順応し始めたら気恥ずかしいという気持ちが多少マシになった。
ただ何処かへ出掛けるのではなくデートスポットへ足を運んだ。どちらからともなく手を繋ぐことが当たり前になった。下の名前で呼び合うようになった。
さすがにキスやそれ以上のことはそれなりに時間を過ごしてからだったのでそこは色々考えてくれたのかなと嬉しかった。
そうして月日はあっという間に経過し萩原は警察官になった。
同時に彼の一人暮らしが始まった。
「ただいま〜」
「おかえり」
…はずだったが。
勤務地である交番がうちからそう遠くない所だったようで仕事帰りに高頻度でうちに来るようになってしまった。
最初こそ自分の家の方が近いんだから頻繁に来るな、来るならせめて休みの前日にしろ、など色々口煩くしていたが
もう自由の身でせっかく近くに恋人がいるんだし出来るだけたくさん会いたいんだと甘えた顔で想いをぶつけられてからはしつこく言うのをやめた。
所詮私も好きな人と一緒に過ごせる時間が多くなって嬉しいんだろう。
「ご飯先?」
「先風呂にする」
「ん」
週の半分ほど、うちに泊まり朝を迎え職場へ向かう。
もはや半同棲である。
おまけに家賃や食費、水道代ガス代電気代諸々折半ときたものだ。同棲したほうがいいんじゃないかと思う。
けど私がまだ学生の身であることやいきなり同棲はキツイという本音を聞き入れてもらい今の生活の形になった。
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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時