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茹だるような暑さ。

夏休みに入り毎日エアコンの力を借りて部屋に篭もり机に向かっている。

何回か友達と図書館に赴いて勉強をした後息抜きとご褒美としてカフェに寄りお喋りをした日もあったがほとんどは部屋に篭もってカリカリカリカリ。


虚しくペンが紙の上を走る音。エアコンの音。蝉の声。近所の子供たちの遊び声。時々流す適当な邦楽。


「…っあーーーーーー」


机に広げたノートの上にガバっと倒れ込んだ。


もうやだ。やだやだやだ。受験やだ。勉強やだ。全部やだ!

遊びたい。遊びたい。遊びたい!!


受験のストレスが溜まりに溜まって今日一日全く集中ができずそんなことばかり考えていた。

現に今までの一日に比べこなす問題の数が著しく少ない。

ペンが進まない。頭が問題を解くよりも余計なことばかり考えてしまう。


…とりあえず休憩しよう。


少し息抜きをすれば何か変わるだろうとさっさとペンを投げ出し携帯を手にベッドへ寝転がる。

でもすぐに特に見たいものもやりたいこともなく携帯がつまらなくなりなんだか今日一日が全部ダメになる気がした。


息抜き…息抜きがしたい…携帯じゃ息抜きにならない…息抜きとは…。


もはや哲学の域に到達する勢いのおかしくなった思考回路に突然閃きが走った。


「夏…夏っぽいことしたい…」


海…は、出掛けるのが面倒。手っ取り早く夏っぽいことがしたい。


………花火。花火がちょうどいいじゃん。一日……いや、夜の数時間。勉強から開放されるくらい許されるだろう。


そうと決まれば再び携帯を開きはてさて誰を誘おうかと思案する。

とりあえず近場の友達を誘ってみた。しかし塾で勉強するからと断られ、あと仲がいい子は家が近くないから誘うのを迷ってしまう。


いっそ一人で家の前でやってやるかと謎の強気が湧いてきたときメッセージが届いたことを知らせる電子音が鳴った。


「…お」


相手は萩原で『勉強しんどすぎる』とどうでもいい短文。

ちょうどいい。奴を誘ってみよう。

断られる前提で『ケンジくん、暇なら今日花火しません?』と軽いノリで誘ってみたら


『いいよー』


と、すぐに返ってきた了承の文字に喜びからぎゅうっと携帯を持つ手に力が入った。

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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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