戀愛戀慕〈黒子のバスケ〉 (ページ1)

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姉の流儀ページ1

「ねえ涼太、私の香水知らない？」
「はあ？知らねえよ。てか香水とかいらないだろ！」
「ちょっとなによその反応！」

朝６：００。

毎朝この忙しい時間帯に黄瀬家では長男涼太と次女（人1）の喧嘩が勃発する。

喧嘩の内容は洗面所をどちらが先に使うか、朝ご飯のサラダのトマトをどちらが多く食べたかなど取るに足りないものばかり。

「もー、朝からうるさいなあ。」
「だって昨日最後に洗面所使ったの涼太じゃん！」
「だから知らねえって。何で俺が女物の香水触んだよ。」
「ハイハイわかったから。（人1）は私の香水貸してあげるから！涼太も朝練なんだから早く学校行きなさい。」

そして、こうして長女の涼花が止めに入るのも日常茶飯事である。

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「そもそも彼奴おかしいんス！」
「別に良いだろ。彼氏見つけるためにお洒落するくらい普通じゃねえの？」

海常高校ではバスケ部が朝練を終えて部室で各々が会話を交わしていた。

涼太の隣で興味なさそうに黙々と着替えるのは主将の笠松である。

「高２にもなって理想の王子様に出会うとか夢見すぎじゃねっスか？」
「まあそうだとしても、目標に向かって努力するなんてバスケと変わんねえだろ。応援してやれよ弟なら。」
「笠松先輩～！」
「引っ付くな！キモい！あっち行け！おい森山このバカなんとかしろ！」
「黄瀬！そうかもしかしたらお前のお姉さんが俺の運命の相手なのかもしれないな。ってことで俺に紹介しないか？」
「…森山先輩がお兄さんとか嫌っス……。」

そう。涼太が言う通り先ほどの次女（人1）が掲げる人生の目標は、「理想の王子様に出会うこと」なのだ。

そのために彼女は努力を惜しまない。

神から授けられた抜群の容姿に日々の努力の賜物は数々の男を虜にしたが、どの人も彼女の理想とは程遠く、今尚全力疾走しているのだ。

まるでその姿は中学時代のとある同級生に似ている、と涼太は内心思っていた。