【東リベ】早く起きろよ、バーカ【真一郎】

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「痕、残っちまったな」





背中に残った痕を撫でる真一郎。


腫れ物を触るかのように、優しく、優しく。





「くすぐったい」


「綺麗な背中だったのに」


「痕あるの、真一郎は嫌なの」


「嫌っつうか、オレのせいだなって。オレが二人を止めてくれなんて言わなきゃ、Aが「真一郎」」





真一郎の言葉を遮って、あたしは後ろを振り向いた。


たしかに他の人から見たら、女の背中にそんな痕があるのはおかしい事かもしれない。


でも、





「あたしは後悔してない」


「ほんと、そう言うトコだよ。男よりカッコ良すぎんのはズリィだろ」


「真一郎がカッコ悪すぎんのがいけないんでしょ」





二人でいて、そう言う雰囲気になって、あたしは着ていたシャツを脱いで、上は下着だけの状態。


真一郎も脱いでるけど、あたしの背中を見た真一郎は残ってしまった背中の傷に対して、そう言う感情を持っているらしく。





「このヘタレ」


「え」


「嫁が下着姿で誘ってやってんのに、据え膳？」


「……襲って…え？怒って引っ叩かねえ？」


「引っ叩かない。でもやるつもりないならもう知らない。あたしは服着て寝るから」


「わー！待て待て！いただきます！！」


「うわぁ……必死すぎて引くわぁ…」





めちゃくちゃ必死になって止めに来た。


もうちょっとこう、大人の余裕と言うか、そう言うのないの？って。


でも仕方ないなぁって、許しちゃうんだよね。





「ねえ真一郎。ひとつだけ約束してくんない？」


「ん？」


「もうあたしの事、置いていかないって」


「！」





一人は嫌。


なんだかんだ言って、あたし寂しがり屋だから。


もう不安な気持ちにはなりたくない。


今の幸せな時間がずっと続いてほしい。





「Aを置いてく事なんて、もう二度としねえよ」


「うん」


「これからはずっと一緒にいる。片時も離れる気も、離してやる気もねえから」


「うん」


「お前がうぜえって、離れろって怒っても、オレは離れる気ねえから。覚悟しとけ」


「ん……」





真一郎に抱きしめられて、あたしは真一郎の背中に腕を回して、お互い見つめ合ってキスして。





「愛してる。A」


「あたしも。真一郎」





真一郎とイチャついて、次の日、バイク屋に顔を出した万次郎に


シンイチローとA、昨日えっちした？なんて言われたのはまた別のお話。


そう言う無神経と言うか、人に気を遣わない所、真一郎にそっくりすぎ。

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