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黒龍は真一郎が作ったチーム。
二代目、三代目と受け継がれて行き、八代目の総長にイザナがなった。
それからだ。
だんだんと黒龍が変わっていってしまったのは。
『いいの?このまま放っておいて』
『……代が変わればチームの雰囲気も変わる。そう言うのはよくある話だ』
『でも、黒龍は』
『……分かってる』
そう言った真一郎の表情はとても真剣で、自分でもどうしたらいいのか考えて、それでも答えがまだ出ていない様に見えた。
イザナはすっかり変わってしまった。
あの頃のイザナや、黒龍はもうない。
それからしばらくして黒龍の代がイザナから別のやつに代わり、万次郎が作った東京卍會とぶつかり合う事になった。
黒龍は東卍によって潰された。
『……これでよかったんだ』
少し悲しそうな声で真一郎が言ったのを、今でもよく覚えてる。
真一郎は万次郎とイザナに黒龍を継いで欲しかった。
二人に受け継いで欲しかった。
黒龍はその為に作ったチームだったから。
解散に陥った黒龍が青宗たちの手により復活させられ、強大な力を得て、去年の暮れ、再び東卍とやり合った。
それを知ったのは年を越してからの事後報告だったのでかなり驚いたけど。
「で、次が君なんだね。花垣武道くん」
「は、はい!」
真一郎が入院している病院に、青宗と花垣くんがやって来た。
駐車場に車を停め、降りた時だった。
声をかけられ、振り返ると、そこには久々に会う青宗がいて。
たった数年でこんなにも大人びるとはと驚かされた。
「万次郎から色々聞かされてたよ。君の事」
「えっ?ま、マイキーくんから…?」
「万次郎にケン坊、圭介からも。みんな真一郎に似てるってお墨付き」
「い、いや……オレはそんな」
「青宗もそんな風に思ってるから、君に継いで欲しいって言ったんじゃない?ねえ、青宗」
「ああ。その通りだ」
「ケン坊が刺された時も、圭介が刺された時も、君がいてくれたお陰で助かったって。ありがとう」
真一郎、もしかして彼なら。
そんな淡い期待を持ってしまう。
「真一郎が作った黒龍、君に任せるよ。よろしくね、花垣武道」
「ッ……!初代の名に恥じない、最っ高のチームを作ります!!」
バッ!とそう言って頭を下げる花垣くん。
声でかすぎ。
でもこれならきっと、真一郎の耳にも届いてるよね。
「黒龍創設の日に十一代目誕生か…。おもしれー」
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ピアノ - 完結おめでとうございます!もう、真兄推しの私にとったら泣けて最高のお話でした!これからも頑張ってください! (2021年10月10日 10時) (レス) @page49 id: 68f7274f2c (このIDを非表示/違反報告)
ルイにゃ - 完結おめでとうございます とても泣ける話でした (2021年9月29日 18時) (レス) @page49 id: c326ad8a0b (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 完結おめでとうございます!これまでに無いハッピーエンドです....真一郎くんが起きた時はもう...全私が喜びましたwこの作品に出会えて良かったです^^* (2021年9月29日 3時) (レス) @page49 id: 849fa7e773 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメと昆布って似てね? - 完結、おめでとうございます!原作が辛くて辛くて仕方なかったけど、この作品に出会えて本当よかったです!2人の結婚式とか結婚式のスピーチのお話が見たいです!できればでよろしいので書いてもらえたら嬉しいです! (2021年9月28日 22時) (レス) @page49 id: 293adefca4 (このIDを非表示/違反報告)
43(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白くて、一気に見ちゃいました!幸せそうな夢主ちゃんを見れてよかったです!! (2021年9月28日 16時) (レス) @page49 id: abf6fd2177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴんぞろ | 作成日時:2021年9月15日 0時