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2話 ページ4

「て、つだうって、言っても...
私は願いを叶えてもらいに来たんだけど...」

それに、どうして私が思ってることが
わかったのかも気になるし、と付け足すと
男は「だって、俺神様だし」と
軽々と言いのけた。

(かみ、さま.....えっ?!こんな神様らしくない人が?!)

「神様らしくないって酷くない?
さっきから酷いことばっか言ってるねぇ〜」

見た目も喋り方も人らしいし、
服装も一般男性の着るような服を着ている。
こいつのどこが神様なんだろうか。

「...わかった、これで信じてくれる?」
「えっ...な、煙?!」

突然出てきた煙にむせた。
文句を言おうと人"のはず"の男を見た。

モフりたくなるような9本の大きい尻尾。
狐のような耳。
浴衣姿。

どうみても、人外。
驚きすぎて腰が抜けてしまった。

「おー、いい反応してるねぇ!
俺は松野おそ松、この赤塚神社の神様。
これで信じてくれる?」

おそ松は驚きで動けない私を
ニヤニヤしながら手を差し伸べて言った。
(信じてくれる、っていってもあんな姿見せられたら信じるしかないじゃん...)
私はここで本来の目的を思い出した。

「あ、あの、神様!」「おそ松でいーよ?」

「....おそ松さん、私の願いを叶えてください!」

慌てて立ち上がって頭を下げて言うと
おそ松さんは無理。と間を空けてそう返してきた。

「お前聞いたことないの?ここの神様は願いを叶えてくれませんよーってこと」

「それは知っています、でも叶ったこともあるって聞いて...」


「だって俺、叶えるかどうかなんて気分でやってるし?」
「..........え?」

気分。気分で人の願いを叶える...?
この神様は適当すぎる。
人が来なくなるのも当然だ。

「俺の今の気分はねー、神様だっていってんのに信じてくれないし本当の姿見せるっていう手間をかけされたし俺の手伝えって言う話も言わせてくれないから最悪だよー?」

信じてくれないのはその言葉遣いのせいだと思う。
他の人だっておそ松さんを見れば生身の人間だと思うだろう。
手伝えって言う話もよくわからない。主語をくれ。

でも、私にはどうしても叶えたい願いがある。
諦める訳にはいかない。

「で、でもお願いします!
私のお父さんお母さんを返してください!」
「.....」

「なんでも、しますから.......」

なんでもする。そう叫ぶと、
おそ松さんの口角が上がった。
嫌な予感しかしない。

「あっは!お前面白すぎー!
そんな必死に頼むやつお前が初めてだよ?!」
急にお腹を抱え床を転がって笑いだした。

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作者名:ピノ | 作成日時:2019年1月27日 11時

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