音柱は継子依存症

師範、やばいですね。 ページ5

『やっば』


思わず声に出てしまった。


師範に軽く小突かれる。

何気に痛いんですよ。それ。



女の家には女の他に

8人の人がいた。

村の中ではそこそこ広めの家だから、

もしかしたら奥にも人が…、

いや、鬼がいるのかも。


多分ここの家の人、

全員鬼だ。



「おふたりのお部屋はこちらです」


随分と客の扱いに慣れてる。

スムーズすぎる。


きっと、ここにきた隊士たちも、

ここに。



『ありがとうございます』


こちらが不審に思っているのを悟られないように

笑顔を絶やさない。


師範と話し合った末、夫婦設定にした。



でもね師範、

ずっと腰を触ってていいわけじゃないんですよ。



部屋に入ったからと言って

油断は禁物。


コソコソと計画を練る。

顔が近い…。

無自覚なんでしょうか。



宇「寝た頃に食いに来るんだろうな」

『そうですよね〜。

ここ全員、鬼ですよね。きっと』

宇「だろうな。


まずは家の作りを把握するか…。

待ってろ。行ってくる。

なんかあったら…」

『師範の継子なのでご安心を。

斬れますよ、私』

宇「おゥ、じゃあ部屋は頼んだぜ」

『お気をつけて』



さすが元忍の師範。

天井を外して天井裏に入って行った。


足音もしないってどーゆーことよ？

神なの？

なんなの？？









「失礼します」

『！？！？』

「お夕飯ができましたが…、

旦那様はどこに？」



あ、まずい…。

まずいぞ。

なんて言い訳しようか。


なんで入ってくるのよッ。



『あ、え、とぉ…。

外の空気を吸いに…？』←


うわあああ、疑問形になっちゃった！！


てかなんなのこの理由！

腐ってる！

やばいよ、師範に怒られる〜…。







「そうですか」



アレ。

以外と大丈夫…。






「では、今食べて差し上げます」



ぜんっぜん大丈夫じゃないッッッッッ！！！

着物で動きにくいのに！


寝た時に来るでしょ普通！！←




襲われそうになったのを

すんでのところでかわす。


「その身のこなし、鬼狩りね？」

『そーですけど何か！？！？！？』



もうほぼほぼキレ気味だよ！！！


自らの日輪刀を手に取り。

鞘から刀を抜く。




スゥ…と深呼吸をして。









『歌の呼吸・壱の型・緩歌慢舞』









手ごたえあり！


鬼の頸は斬れていて、

徐々に姿が崩れいく。




『さ、てと…。


他の鬼も倒さなきゃ』








部屋を見る。



大変。







『師範、刀忘れてんじゃん…』

師範、ボケてますね。→←師範、こんなの聞いてません。

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