【あんスタ】後悔したあとに。

出会いと再開/３ ページ6

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「ところで、A先輩は何故ここにいるんだ？」



「私もよく分かっていないのよね。
天祥院の思いつきっていうことだけは分かっているのだけど……」



「その……、先輩はここに戻ってきて大丈夫なんですか……？」



「あら、真。心配してくれてるの？」






 言いにくそうに口ごもっていた真が恐る恐る聞いてきた。そんな不安そうな顔をする後輩を安心させるように笑い返す。






「当たり前です！……泉さんも一時期塞ぎ込んでたから」



「……。大丈夫よ。まだ少し怖いけど……、いつか向き合わなければいけないと思っていたから」






 "泉"。懐かしい名前。
私がアイドル科にいた頃仲良くしてくれていた私の大切な友達。今あの子はどんな風になっているのかな。






「……あの、A先輩は昔なにが会ったんですか？」



「！」






 彼女が私の顔色を伺うように問いかけてきた言葉。聞いてくると思っていなかったから驚いてしまう。あんずちゃんの性格から考えて踏み込まれたくないことは雰囲気で察知して深く踏み込んで来ないと思っていたけれど……。



 北斗たちもあんずちゃんを見て驚いている。






「あんず、それは……」



「聞いちゃまずかった……？」



「ごめんね、あんずちゃん。
まだ昔のことは話せる勇気がないの。だから私がまた皆と、話せるように、仲直りできたら……、その時は話を聞いてくれるかな？」





 言えないことに申し訳なさがあるけれど私には他の子に昔のことを話せるほど過去を乗り越えてはいない。まだ少し怖いんだ。




 拒絶されたらどうしよう。


 また突き放されてしまったら？



 今度こそ立ち直れない。"あの子"がずっと傍にいてくれたから私は立ち直れたけど二度も立ち直れるはずなんて、ない。







「……はい。その時はA先輩の口から聞かせてください」






 あんずちゃんの笑った顔に頷いてくれてよかったと私は安心した。いつか笑顔で昔話をできるように私もちゃんと過去を乗り越えなくちゃ。





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