“好き”の色【テニプリ】

恋のカタチ【宍戸亮】 ページ38

＿＿＿私の恋のカタチは、汚れている。
貴方が好きで、大好きで、どうしようもない。
だけど、私と貴方じゃ、不釣り合い。
だって貴方は、凄く人気があるから。
普通で大した取り柄のない、私と違って。
それでも貴方は、声をかけてくれた。

「俺、お前の歌、好きだぜ」

何も取り柄のない私の事を、貴方は褒めてくれた。
私だって、言いたいよ。
“私も宍戸くんのテニス、好きだよ”って。
だけど、そんな事は言えない。

『好きなんだ。この瞬間が』

ほら、こんな事しか言えない。
それでも貴方は、褒めてくれた。
でも……私は、気付いてしまった。
貴方には、彼女がいる。
こうやって、放課後の音楽室で、彼女に内緒で歌を聴かせる事しか出来ない私の恋のカタチは、汚れている。
あまりにも卑怯だ。
だけど、こうするしかない。
貴方が好きって言うなら、何度でも歌う。
この声が、枯れるとしても。


「＿＿＿今日は何の歌なんだ？」
『今日はね…恋愛ソングだよ』
「へえ……」
『宍戸くんに向けて、歌うね』
「は……？」

そこから数分間、私は気持ちを込めて歌った。
宍戸くんが好きな事はもちろん。
だけどこれは、失恋ソングだから。
決して恋は、実らないの。

『ふう……知ってるよ。彼女がいるんでしょ？』
「ああ……」
『それでも私は、貴方が好きだから』
「高梨……」
『＿これでいいの』

例え恋が実らなくても。

これが私の、恋のカタチ。

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takiさん、14借りました。
ネタ提供、ありがとうございます！

＊解説→←それは告白の言葉【丸井ブン太】

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