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kiss4 ページ5

その後私と切原は一緒にクラスへ戻った。
周りから「何で一緒にいるの!?」などと聞かれたが、

『たまたま会っただけだよ』

と手を振り苦笑いで返し、席へと着く。
といっても、隣は切原……つまり、私のマリオネット。
今は英語の時間。
私は生徒らしく真面目にノートを取り、発言をする。
クラスでの印象は良くしなくちゃね?

授業が終わった後、私は自分から切原にノートを見せた。
切原は殆どの授業を寝て過ごしている。
英語も例外ではない。
担任の先生もこれには感謝したようで、「これからも見せてやってくれ」と苦笑いしながら言ってきた。
もちろん私は「はい!」と快く返事をした。
だって……こんなチャンス、他にないでしょ?
そんな事を頭で思い返していると、「終わったー!」という元気な声が鼓膜を震わせた。

「サンキュー!助かった!」
『どういたしまして。隣の席なんだから、当たり前でしょ?』

少し首を傾げて笑ったまま問いかける。
切原はこれにも顔を赤くし、「そうだな」と返す。
それも私の計算の内。
切原の好きな子は私。
好きな子が笑って照れない男なんて、いないと思う。
あーあ、でもこのままじゃ退屈だな……
そう思った時、切原が「あっ!」と手を当てて私に提案した。

「なあ、俺が入ってるテニス部の見学行かねえ!?」
『見学?……もちろん』

ニコッと笑い、承諾する。
そう、私はずっとこの言葉を待っていた。



___さあ、新しいショーの開幕ね……?

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作者名:spark | 作成日時:2019年3月10日 17時

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