【テニプリ】両想い≠ハッピーエンド【幸村精市】2 (ページ4)

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そのまま私と精市は一緒に学校へ、教室へと行った。

奈「あ、2人とも、おはよ！」

教室に入った途端、奈々が駆け寄ってくる。

A「奈々、おはよう」
幸村「蓮水さん、おはよう」
A「……じゃあね、精市」

私は精市に小さく手を振る。

幸村「うん、また部活で」

精市は同じように小さく手を振り返してくれた。
そして、それぞれの席へと向かった。

A「……ねえ、奈々」
奈「ん？何？」
A「奈々はさ……精市の事、好き？」

＿＿＿そう。私は奈々に対して疑問を抱いていた。
奈々が私にやったいじめ始まった発端は、奈々が「精市の事が好きだから、くっつけてくれないか」という頼みを、私が断ったからだ。
あの時の奈々の表情を思い返せば、恋する少女の顔だった。
だからこそ、ちゃんと聞きたい。

奈「……あはっ、バレてた？」
A「いや……確信はなかったけど」

本当だったらしい。
やはり、女子の目は誤魔化せられないらしい。

奈「前、Aに言った頼み事……実は本当だったんだ」
A「そっか」
奈「改めて、親友として頼むね。……私と幸村くんが付き合うように、協力してくれない？」

奈々は頬を掻きながら、照れ笑いを浮かべて言った。
それはまるで、恋する少女を象徴するかのような笑みだった。

A「……うん、いいよ」
奈「本当？ありがとう！」
A「私には、蓮二がいるし……奈々に精市はお似合いだよ」
奈「そ、そうかな……」

＿＿＿私には、蓮二がいる。
その言葉に、少し蟠り(わだかまり)を覚えながらも、奈々の頼みを承諾した。