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NO.33 ページ38

A「……蓮水さん」

私はそっと手を差し出し、蓮水さんを立ち上がらせる。

A「さっきはキツく言って、ごめんね。でも、ようやく本当の蓮水さんが見えた気がする」
奈「本当の……私?」
A「うん。辛いなら、苦しいなら、無理して笑顔でいる必要なんてない。善人でいる必要ない」
奈「……私も、ひどい事して、ごめんなさいっ……!」
A「泣かないでよ。そりゃ……あんな事されて苦しかったし、辛かった。でも今はしないんでしょう?」
奈「うん……もちろん!」

蓮水さんはようやく、笑顔を見せてくれた。
仮面を被った笑顔じゃなく、本当の笑顔を。

A「もう一度、友達としてやり直そうよ」
奈「うん」
A「……黒板、消そうか」
奈「手伝うよ!」
A「ありがとう」

お返しに、私も笑顔を見せる。


***


お昼休み、私は蓮水さん……否、奈々と机を真向かいにしてお弁当を食べていた。

奈「そういえばAってさ……私以外の女子友達いないの?」
A「……うん。色々あって」
奈「……聞いて、いい?」
A「いいよ」
私は包み隠さず全部話した。
奈「そっか……。そんな事が」
A「うん。その事が凄くショックで、“もう友達じゃない”って言っちゃって。そしたら、皆離れていっちゃった」
奈「……でも、今は私がいるじゃん!」
A「そうだね」

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作者名:spark | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月9日 16時

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