NO.8 ページ13
幸村「如月さん、今でも忘れられない?」
A「ええ……。忘れたくても、忘れられないの」
幸村「俺も。病気のこと、忘れたいけど。だけど、忘れたら、俺はここまで成長出来なかった気がするから……」
自分が、自分でなくなる。
私も、そうなのかもしれない。
A「大翔は……どうしてるのかしら」
幸村「さあ…」
「大丈夫か?」
この声……聞き覚えがある。
A「……大翔」
久しぶりに彼の名前を呼んだ気がする。
杉「A……」
A「……どうしてここに?」
杉「Aが心配で……。来たんだ」
私が心配?
そんなの、今では一ミリも思ってないじゃない……!
ベッドから立ち上がって言おうとしたその時、
幸村「……如月さんが心配?そんなの、今では一ミリも思ってないだろっ!!」
幸村が大翔の胸倉をつかんで言った。
幸村「全部……全部聞いた。お前は如月さんを好きじゃなくなったんだろっ!?そんなんなら、もう如月さんの彼氏面なんかするなっ!!」
こんな荒い幸村、初めて見た……
杉「幸村こそ、Aの彼氏面すんなよ。仮にも俺は、Aの元カレだぞ」
この言葉に、私はとうとう耐えられなくなった。
A「……誰が、あんたなんかっ!!」
気付けば私はベッドから立ち上がって、そう言ってた。
幸村にどいて、と声をかけ、胸倉を掴んだ。
A「私は本気で好きだったのに、“他の子が好きになった”?だから別れる?そんなの、自分の都合ばっかり!私は、大翔が浮気をしないって信じてたのに!どうしてよ!?そんな事するくらいなら、今の彼女さんと別れて!!」
一気に言ってしまったからか、息切れする。
幸村「如月さん……」
杉「A……」
A「もう話しかけてこないで、大翔……いや、杉浦。私の事も、名前で呼ばないで」
杉「っ……」
A「もう言いたい事言ったから。行こう、幸村」
幸村「うん。分かった」
A「じゃあね、杉浦。もう二度と会う事もないと思うけど」
杉「Aっ……」
私と幸村は保健室を後にした。
幸村「如月さん、中々の男前だね」
A「男前って言われても嬉しくないんだけど……。まあ、いいわ」
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