だるまさんは転ばない！

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『ちょっと話したいことあるんやけど、次いつ電話できる？』


そんなメッセージがAから届いたのは、最近日が落ちるの遅なったな〜なんて思いながら今日の夕飯やらなんやらをコンビニに買いに行った帰り道だった。

ロック画面に映る通知を見た瞬間、反射的に｢えっっっ｣と声を漏らした。

今回ばかりは歩きスマホを許してくれぇ、と誰かに許しを乞い、すぐにトーク画面を開く。

もう一度Aからのメッセージを読んで、嬉しくて思わず口角が上がるが、このご時世でマスクをしているため人目を気にする必要はない。心置きなくニヤけておこう。否、微笑んでおこう。


しかし、話というのは何なのだろうか。特に心当たりはない。別れ話だったらどうしよう、と嫌な考えが一瞬頭をよぎる。あ、俺ら付き合ってなかったわ、なんて1人でツッコミを入れながら、Aへの返信を入力する。ここはあえて｢話ってなに？｣とは聞かないでおくことにした。


すぐにAからも返信が来て、おおよその日時が決まった。

はぁ〜楽しみぃ、と心の中で呟く。とは言っても、前回の電話からはまだ2日しか経っていなかった。俺の努力が少しずつ報われてきたのか、電話の頻度は確実に増えていた。


急に増えた俺からの誘いをAは疑問に思っていないのか少し気になっていたが、Aがそのことを気にしている様子は今のところはなく、おかげでこちらも誘いやすかった。


またもやハートくまさんのスタンプを会話の終わりに送ってきたAにキュンと胸を高鳴らせてから、俺はスマホをポケットにしまう。残り数分の帰路はいつもより足取りが軽いような気がした。

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