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部内で上手く立ち回れたとは思えないし
ただただ、毎日必死だった
少し前まで頼れるキャプテンであった哲はそう語る
哲「自信がないと監督に断りに行ったくらいだ」
この事実に御幸は驚きを隠せなかった
まさかそんなことがあったとは。
─部員の多いこの部を器用にまとめろとは言わん
─プレーで全員を引っ張ればいい
監督は哲に最初から完璧なキャプテンであれとは言わなかった
チームで引っ張るキャプテンであればいいのだと。
哲「投手を仕切り、打者としてもチームの中心、周りから求められるプレッシャーは俺なんかの比じゃないだろう」
哲「それでも俺はお前をキャプテンに推したよ、お前がキャプテンになればチームは強くなる…そう思ったからな」
最初から部をきちんとまとめられる完璧なキャプテンなんてきっといない
みんな誰かしら衝突だってするだろう
部員が多い分器用にまとめるなんてことは困難、でもその分支えてくれる人が沢山いる
誰かに支えられながらプレーで引っ張る、それもまたキャプテンとしてのひとつの在り方。
哲「大したことは言ってやれないが話なら聞くぞ、いつでも来い」
御幸(哲さん…)
いつでも来いという先輩の姿はやっぱりいつも頼もしく
御幸もまたプレーで引っ張る、そういうキャプテンとしていればいいのかもしれない。
話が終わったかと思えば
そのまま御幸のことをじっと見る哲
御幸「なんですか…?」
哲「7六歩」
御幸「出来ないでしょ?目隠し将棋」
学校が終わり練習時間
食堂に集まってみんなで次に戦う王谷についてナベの分析を聞き、そして病院に行っていた降谷の怪我の結果が判明した
片岡「降谷の足の状態だが、足関節側副靭帯1度損傷」
片岡「1,2週間の安静が必要だそうだ」
なんだか頭がこんがらがりそうな名前
とにかくなんとなくわかるのは靭帯が損傷したということ、切れていたら最悪の部分だ。
御幸(後半力が抜けていると思ったらまさか故障が原因だとは…降谷のことだから絶対無理してたはず)
もしも工藤と東尾が気がついてなかったら
きっと普通に試合に出て、取り返しのつかないことになっていた
御幸(1番近くで見ていながら…最近自信なくすこと多いなぁ…)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年7月14日 9時