*黒バス*雨の日のキセキ.４《赤司征十郎》＊完結＊

▽126話▽end ページ44

〜翌日〜

ザザーッ


「ごめんね、征くん。…疲れてるだろうに呼び出しちゃって…」

「そんなことはいい。

この時間にこの場所は―――」



そう、もう夜の7時を回っている。
あたりはもう真っ暗だ。


ザザーザーッ


いまだ、雨は止まない。

「そうだよ、征くん。
…私たちが出会った場所…」


2年半ぶりに裏路地に来ていた、
あの事件以来、ここには来たことがない。


…来る勇気が、なかった



「どうしてここに…」

「征くん、静かに聞いてくれる？」



雨が降りしきるなか、
征くんは私の目を見て、頷いた


「私ね…あの日、絶望の中にいたんだ。
そんな中、一筋の光がさしたの…征くんだったんだよ。

絶望が希望に変わった。

いろんな出会いがあって、いろんなことを経験したの。


あの事件があったからこそ、今があるんだよ？
あの日を後悔してないなんて言ったら嘘になる。
でも…もう過去は振り返らない、前だけを見る…そのためにここに来たの。

征くんと出会えたのが…キセキだと思うんだ。
出逢えてなかったら…
あの日死んでいたかもしれない、まだ絶望のなかにいたのかもしれない。

ありがとう、征くん。
こんな私を彼女にしてくれて、ありがとう。」


これが私の精一杯の言葉。


「…お礼を言うのは僕のほうだよ。…ありがとう。
あの日、キミと出逢えたことはキセキだよ。


A、僕に気づかしてくれてありがとう。
…辛い想いをさせて悪かったね…


A、僕はキミを愛してる。」


「私もだよ…征くん。愛してる。」



もうどんなことがあっても二度と離れない。



絶望の淵にいた、あの日。


･


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･


「雨の日のキセキ。」




私はこの出逢いを忘れない。




「A、もうキミを離さない。」




雨が降りしきる中、
傘を落として…雨に濡れながらキスをした。



･

･

･

･

―――ねぇ、みんな天国で見てる？私、今とっても幸せです。
大好きな人と一緒にいることができて――――



どんなに辛いことも征くんとなら乗り越えられる。




征くんと一緒なら怖いものなんてない。




「征くん、大好き。」

「僕もだよ。」



―――出逢った日もこんな雨の日だった――――



*end*

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