猫被ってたら、彼と出会った。【赤司征十郎】

猫かぶり３６ ページ7

放課後、私は屋上に向かった。

少し警戒しながらも。



…この時、屋上に行かなければ
あんなことにはならなかった。


少し風の強い屋上。

そこにたどり着くと、フェンスに寄りかかる。

ガシャン

それとほぼ同時に、屋上の扉が開いた。

「お〜、来てたんだ、ほんとに」

扉の奥から姿を現したのは………

「オレ、田中涼(ﾀﾅｶﾘｮｳ)
よろしくね、桜木"ちゃん"」

田中って、あの女遊びが有名だっていう…？
顔は整ってるけど不良って噂。

ていうか、なんで私の事ちゃん付けしてるんだよ。

「うーん、意味が分からないって顔してるね。
いいよ、教えてあげる。





,


俺さ、君が女の子なの、知ってるんだよね。

昨日のお祭りで見かけてさ〜？




意外と可愛いじゃん。」

トンッ


不意に押されて、硬いコンクリートに倒れ込む。

「…え？」

顔の横には、腕があって




逃げられない。


目の前には田中の顔があって


「皆にバラしたら、きっと女子にいじめられるよ。
だから…さ、なにシてもいいよね？」


耳元で囁かれて、思わず顔を背ける。


気持ち悪い。


赤司の時とは違って、むしろ

嫌だった。



赤司…





プチ


プチ



胸元のボタンが外されていく。






心の中で、ずっと赤司に助けを求めていた。



私はその時、気が付いたんだ。







.




私は




赤司の事が

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