猫被ってたら、彼と出会った。【赤司征十郎】

猫かぶり３３　赤司side ページ4

「返事はまた今度でいいよ、ゆっくり考えて」








Aの過去を聞いて、一番最初に感じたのは
俺に頼ってほしいということだった。

だから、その事を伝えると何故か理由を聞かれ

「･・･Aのことが好きだからだが？
好きな子を守りたい
頼ってほしいと考えるのは、男として当然だろう？」

･・･と答えてしまい、いまに至る。


もちろん、考えていた訳ではない。
ただ、口をついて出た言葉がそれだった。









俺が、Aのことが好き。




今までの、少し不思議に感じていた感情の答えは


どうやらそれだったらしい。



自覚してしまうと、途端に恥ずかしくなる。


俺はAを抱き締めるのをやめた。




でも、少し物足りなくて


最初のように手を握って歩いた。





彼女に触れたいと思ったり







ずっと一緒にいたい



なんて思ったりした気持ちも、





全部





Aに俺が、恋していたからなんだ。







今のこの胸の高鳴りも嘘ではなくて



この手の熱さも
頬の熱さも



全てが





俺のAに対する気持ちの表れなんだ。

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