猫被ってたら、彼と出会った。【赤司征十郎】

猫かぶり５５　高尾side ページ29

…まさか、Aに彼氏がいたなんて思っていなかった。

でも、聞いてるとあまりいい彼氏ではない気がする。

Aと付き合ってんのに、泣かせるとか。

俺だったら、泣かせない

俺だったら、大切にしてあげられる。

俺だったら、俺だったらって
今更後悔しても仕方ねえだろ、和成！

弱ってるときにいうのも卑怯かも知んねえけど
俺は今までの気持ち

ちゃんと伝える。


「俺はAの事が好きだ。
ずっと前から。
俺だったら、お前の事を絶対泣かせたりしない。
大切にする。
だから」

すぅっと息を吸い込んで、一際大きな声で。

「俺と、付き合って下さい。」


ちょっとこの状況を楽しんでる俺がいて
ちょっと緊張、なんて思ってる自分もいる。

こんな自分、全部をAが好きになってくれたら
どんなにいいんだろーな。

「ちょっ…と考えさせて」


…前言撤回。

どんなにいいんだろうな

じゃなくて

ぜってえ俺のこと好きにさせてやる。

不可能とか、可能とか

全部、乗り越えてきたんだ


だいじょーぶ。

だって、Aを好きな気持ちは
だれにも負けねえ自信があるから。

続編→←猫かぶり５４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す