猫被ってたら、彼と出会った。【赤司征十郎】

猫かぶり４９ ページ23

「たしかにそうかもな…ははは」

別に、寂しいとかじゃない。

けど、赤司はずっとバスケ部の皆と話してて
私だけ取り残されてるって感じ。

黄瀬と黒子はチラチラ私を見て気遣ってくれてるみたいだけど…

彼じゃなきゃ、意味ない。

彼と一緒に居られるからって乗るのもOKしたけど
こんなんじゃ私なんていらないんじゃない？

"あんたなんて必要ないのよ"

最後に母親に会った時に言われた言葉が甦る。

必要だって

認めてくれたんじゃなかったの？

信じたい

初めてそう思えたのに。

「Aさん、大丈夫ですか？」

黒子が、得意のミスディレクションでこっちに来てくれたようだ。

黒子の水色の瞳を見ていると
本当の事、本当の自分を出してしまいそうになる。

「…大丈夫」

笑顔は不自然じゃなかっただろうか。

黒子は心配げにこちらを見ながらも赤司たちの方へ戻っていった。

全然大丈夫じゃないよ。


赤司、こっちを見てよ

また、「好き」って言ってよ



何故か、胸の辺りがもやもやして
無性にイライラした。

何でだろう。

そういう自分に一番イライラしていたように感じる。

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