181話:また泣かせた ページ31
虚無
纏う空気が自分でも違うと思ったからだ。
『……違った』
そう、違った、
俺の住んでいた所はもっと【】で、
【】な感じだったのが、少し違っていた。
『俺の家があった場所は別の家で、
…なんか、違っていた、
雰囲気と町の名前だけは同じだった、
けどそれ意外はほぼ全部違っていた』
「…そう、なのか」
『でも、俺的にはこれで良かったんだと思う』
と、いつもの声色になり、
表情もいつもの真顔に戻した。
「…と言うと?」
『もし町並みも、建造物も同じだったら、
…俺は可笑しくなっていたかもしれない』
赤井さんは相当驚き、声にすら出ないらしい。
『そうなったら「そうか、俺だけが居ないのか此処は」とも「俺だけが弾き出されている」とも思えたし、
何より前と同じ家があったら、俺は自分を
保てない程動揺するし、下手したら倒れる』
理由は明白、だが敢えて言おうか、
また自分の顔が虚無になるのが分かった。
『俺の住んでいた家からもし両親、
もしくは両親に似た誰かが出てきたら
…んで、さっきの通り、動揺して倒れる』
信号が赤になる。
「………」
『ま、来てみて良かった、後悔はしてねぇ』
すぐ元に戻って少し笑って
赤井さんの方へ向いた。
『俺の私情に着いて来てくれてありがとな、
おかげで色々気分がスッキリしたよ』
そう言えば安心してくれたらしく、
赤井さんも柔らかく笑ってくれた。
「あぁ、君の役に立てて良かった」
『ふふ、せっかくだし、観光しようか』
「そうだな、俺は此処に行ってみたい」
『その後に此処にも言ってみよう』
…こうして、俺達は俺の”元”故郷で
楽しく満喫した、…これで良かったんだ、
これで、良かったんだ。
さようなら
父さん、母さん
____________________
…旅館で朝起きたら、
赤井さんが俺を抱き締めていた、
それはもう起き上がる位に。
『…赤井さん?どうし……!』
赤井さんは、泣いていた。
『おい!どうしたんだよ!?』
焦って聞けば、赤井さんは
静かに泣きながら答えた。
「君がっ…寝言で”父さん、母さん”と…っ」
寝ている俺、死ね。
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推しの顔がいい - 了解です! (2020年5月16日 23時) (レス) id: 39942f099a (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant(タイラント)(プロフ) - 推しの顔がいいさん» うーーーん地雷ですすみません!! (2020年5月16日 14時) (レス) id: 3c653ee3c0 (このIDを非表示/違反報告)
推しの顔がいい - 何個もすみません!赤井さんと夢主が入れ替わってる〜!?ってなって皆の前で色々しでかしてほしいです(笑) (2020年5月16日 0時) (レス) id: 39942f099a (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant(タイラント)(プロフ) - 竜斗さん» はい!受けます! (2020年5月15日 23時) (レス) id: 8824dda887 (このIDを非表示/違反報告)
竜斗 - 分かりました!無理言ってすいません……。お願いしますm(_ _)m (2020年5月15日 20時) (レス) id: 61912ff4bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tyrant(タイラント) | 作成日時:2020年4月14日 12時