No.02_3 ページ3
「カラオケ!……その日はバスケ部の助っ人の予定があって……」
「え〜、ちょー残念!セトくん絶対歌上手いのにぃ。あっでも終わった後でもいいからね!南駅の三階にいるからさ」
「四日っすか?……あー、バイト入ってるっすね」
「午後からとか無理?俺達もその日は暇なんだよ」
「うーん、午後も違うバイト入ってるから無理っすね……」
「セトさんの事が好きです。一年の頃から、ずっと好きでした。つ、付き合ってください!」
「……ありがとうっす。でもその気持ちだけ頂いてもいいっすか?」
「瀬戸さんって、誰にでも優しいんですね?」
「……うん?」
高一の夏。私は自主的に、彼は赤点の追試として補習を受けていた。
監督の先生は足早に職員室に逃げ、教室には私とセトさんだけがペンを走らせていた。
エアコンが故障したとかで、汗の滲む腕が紙に貼り付いてうざったい。それでも成績の為だと問題とにらめっこし解くこと三十分。解き終わった私は、ふと一番後ろ側の窓が空いてない事に気付いた。
こんなに暑いのだ。可愛い生徒が倒れたらどうしてくれるのだ。そう思い、立ち上がった時だった。
「あ、いいっすよ。俺あけるっす」
窓に近かったセトさんがペンを置き、つかつかと歩いて窓を開けた。途端、涼しい風が教室に吹き込んで、私の髪とセトさんのワイシャツの襟を揺らした。
「いい風入るっすねー!大丈夫ですか?暑いっすもんね、熱中症、気を付けてくださいっす!」
きゅう、と胸の奥が締め付けられる。
セトさんはニコニコと微笑み、私の事を見つめてくる。
そして、思わず私は口走っていたのだ。
優しいんですね?と。
そんな貴方が好きです、と。
「……あ、どうぞ、お入りください。スリッパはそちらのでお願いします」
「_____」
「大丈夫です。あ、すみませんがそちらの荷物もお願いします」
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ぽよ(プロフ) - セトくん推しでセトくんが初恋なんですが、最近あまりカゲプロの夢小説を書いてる方が少なかったのでほんとに久しぶりにすっごいドキドキして幸せです!!! (2022年1月9日 1時) (レス) @page5 id: 542a44042e (このIDを非表示/違反報告)
さとうきび(プロフ) - 太陽王さん» コメントありがとうございます。瀬戸幸助は最高なので、彼の良さを表せていたなら光栄です……! (2021年1月5日 11時) (レス) id: fa3b2b69bc (このIDを非表示/違反報告)
太陽王 - 数年ぶりに占ツクにきてふと目に止まったので見てみたのですがレベルが高くてびっくりです…!セトとの最後の方の掛け合いも尊くて…とても好きです(_ _*))。応援してます! (2020年11月23日 23時) (レス) id: 182ee01072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さとうきび | 作成日時:2020年8月16日 22時