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一度しか来たことがないのに、まだ鮮明に覚えている。
部屋の場所や、匂い。
玄関を開けると、あの夜がフラッシュバックしそうだった。
さすがに真っ暗では先に進めそうになかったので、手探りで廊下のスイッチをつけると、パッと明るくなる室内。
「…ん…」
いきなりの明るさに、寝ていたAの目が少しずつ開いた。
「…んん」
「起きた？」
「…紫耀？」
「あとちょっとだから」
まだ意識の朦朧としているAを抱っこしたまま寝室に向かい、ドアを開けると、あの朝と変わらずそこにあったベッドにAを寝かせた。
「…ふぅ」
Aが軽いといえど、タクシーからここまでずっとお姫様抱っこはさすがにキツい。
Aを寝かせてもまだ余裕のあるベッドに、遠慮がちに俺も寝転んだ。
やべ、寝そう。
これ以上いたら確実に寝落ちする。
明日は9時にマネージャーが迎えに来るって言ってたっけ…。
こないだは成り行きで泊まったけど、さすがに今日は帰らないと。
重い身体を起こしてAを見ると、Aも起き上がってベッドに座っているものの、まだぼーっとしているのか、動こうとしない。
「んー…紫耀？」
「ん？」
「紫耀が、運んでくれたの？」
「そうだよ」
「そっか…ありがと」
「どういたしまして」
酔っているせいか、たどたどしい口調で喋るAがまた可愛くて。
これ以上ここにいたら…ヤバい。
「じゃあ、俺帰るわ」
そう言って、ベッドから立とうとした瞬間。
「待って」
Aに右手首を掴まれて
「独りに、しないで…っ」
そう呟いたAの目には、今にも零れそうなほどの涙が溜まっていた。
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a(プロフ) - コアラさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年1月21日 17時) (
レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - るるるさん» ありがとうございます！嬉しすぎます。。更新頑張りますね！ (2019年1月21日 17時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
コアラ - 続きがとても楽しみです！頑張ってくださいね (2019年1月21日 16時) (レス) id: 4ddbf6bb99 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - いつも拝見させて頂いております。こんなに面白くてワクワクして続きが気になる作品に初めて出会いました。いつも更新楽しみにしております！ (2019年1月16日 15時) (レス) id: e03c1e5a40 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - 叶恋さん» わー！嬉しすぎて泣きそうです！ありがとうございます！頑張りますね。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：a | 作成日時：2018年9月11日 23時
