4:脱出したい ページ4
それから数時間後、北谷 Aは目を覚ました。
貴)いっ…たいなぁ………。
手には手錠の跡、体には何かその………色々とこびりついている。
全て木坂の所為だ。
貴)あのヤロー…!
まだ変な液体のせいであろう体の変な感覚があるが、動かないのも疼いて辛い為ベッドから立ち上がる。 木坂は当然居ない。
貴)…………私、ここにどん位居たんだろ……。
かなり居る気がする。 20XX年からだから…大体2年位?
母親は居ないし、父親は私が冤罪かけられる前から別の女の人とどこかへ消えた。
高校は……実はどこにも行ってない。 通信教育で卒業できるという素晴らしい方法があったからそれを母親が遺してくれていたお金を使わせて貰い、やっていた。
貴)はぁ………外、出たいな。
鉄格子越しに、外の景色を見た。
刑務所の近くに公園があるからか、子供の笑い声も聞こえる。 高校生でこれを言うのもなんだが…少し羨ましかったりする。
悲しくなってきて、視線を下に下げると何かが視界に入った。
貴)ん………?あ!
大方、木坂が落としたのだろう。あの間抜けな男の事だし。 だけど、そうそう檻の鍵は手に入らない! この大チャンスを利用しない大馬鹿がどこに居るか。
貴)木坂〜ありがとー! 愛してるぜっ!
などとハイテンションのせいで意味不明な事を口走っていたAだが、すぐ冷静になり檻の南京錠に触れ、鍵を差し込み回す。
力では開く事の無い南京錠がいとも簡単に外れ、そっと扉を押すとギギィ…と気味悪い音をたてながら開いた。
運良くも見回りの警察官は居なかった。
貴)(見回りさんは……お便所かな?ラッキー♪)
木坂が取りまとめる刑務所だ、扉さえ開ければもう目の前と言っていい程近くに出口があった。
どんだけアイツお気楽警察官様だよ←
サァァァ…………────────
出口を出ると、優しい(様な)風がAを撫でる。
貴)………外……だ……!外に出れたッ…。
嬉し過ぎて涙が止まらない。
お金も少しは持ってるから……しばらくはさっきの公園で過ごそうか。 洋服も刑務所に私が着てた服数着置いてたから持って来たし!
いよいよAの脱出劇が始まる─────!
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作者名:白熱電球 x他1人 | 作成日時:2013年10月26日 6時