若頭に愛されています【るぅと】

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るぅとside

『ふわぁ…おはよぉ…』

彼女は何もなかったかのように起きた

酔って記憶がないのだろうか

「おはよう」

僕は彼女に笑いかける

彼女は僕の方に近寄ってきて、手を伸ばす

『朝一番のぎゅーください』

彼女に甘えられて、断る理由なんてないから

僕は彼女を強く抱きしめる

『るぅとさん苦しいですよぉw』

苦しいなんていいながら、嬉しそうにする彼女がたまらなく愛しくて

「…おはよ、おはよう」

『ふぇ？さっきも聞いたよ？』

好き代わりのおはようなんだよ

「んー、やっぱ好き」

だけど、代わりになんてならなくて

僕には好きの方がいいや

『どういう事〜？』

「なんでもないよ」

「あ！」

『え？』

「あ、いや、何でもない」

今日君にバウムクーヘンをあげる事はまだ秘密



「…ってて」

いつも通り中央の部屋に集まると、ころちゃんが頭を抑えていた

『ころんさん大丈夫ですか？』

優しい彼女はころちゃんに駆け寄って、心配する

なんかおかしいなぁ…

僕、こんだけでモヤモヤしてるよ

嫉妬深いと嫌われちゃうね

「ちょっと二日酔い」

『あ、お酒…』

すると、彼女はハッとする

そして恐る恐る僕を見て、今にも泣きそうな顔をする

『昨日…！ごめんなさい…』

僕が彼女の頭を撫でようとすると、彼女は怖かったのかきゅっと目を瞑る

あーもうずるいよその顔

僕はAの頭に優しく手を乗せて、おでこにキスする

離れると彼女の頬は桃色に染まっていた

照れくさそうに微笑んで、僕の手にスリスリと顔を擦り合わせた

猫ちゃんみたいで可愛い

ころちゃんは少し辛そうな顔して、「やめてよ…」とか細く呟いた

そして、自室に戻って行った

ごめんね、ころちゃん

戻ろうとしてた時に、泣いてたの気づいてたんだ

だけど、Aは渡せないよ

これだけは譲れないから

ごめんね

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