過 保 護 の パパ ２【まふまふ】

56 ページ6

.




｢A、ごはんだよー｣




｢はーい｣




リビングにいるパパから、自分の部屋にいる私の所までパパの高い声が響く

先程からいい匂いがこちらにもしていたので、お腹がすいてしまった




今日はなんだろう。
油淋鶏とか食べたいな




テーブルには麻婆豆腐を主軸に並んでいて、サラダやご飯などが鎮座している



今日はマーボーでしたか




既に座っているパパの横を通り抜け、お向かいに座った





｢いただきます｣




｢いただきます｣






パパにつづいて私も手を合わせる
麻婆豆腐に手を伸ばし、ご飯にかける



これがまた美味しいのだ




｢おいしいー｣




｢Aは中国料理好きだよね｣




｢うーーん。辛いのはあんま好きじゃないけど、餃子とか餡掛けとかは美味しいよね｣





あっという間にご飯はなくなってしまって、わかめスープやらサラダにも手をつける


パパは本当に料理上手である



洗濯も掃除もできて、本当に多方向の意味でイケメンパパである


あーそうだ、洗濯といえば女の香りがするワイシャツがあった…。




｢ねー、パパ。パパは彼女とかいないの？｣





｢急にどうしたの｣





｢パパもいい歳でしょ？｣





明らかにうへぇーっという顔をするので、彼女と喧嘩をしたかあるいは触れてほしくない話題だったのか





｢一応まだ20代だけど｣





｢えぇー！？
うそ！てっきりパパになるくらいだし、社長だし、お金たくさん持ってるし、もっと上だと思ってた｣




だってふつうに考えて、高橋さんが30代前半に見えるので、そうなるとパパはもうちょい上だと思うじゃないか




パパの顔をじーっと見てみるけど、憎ったらしいまでの整った顔ということしかわからない




魔女？悪魔？天使？
年齢全然わかんないんだけど




｢そんなに老けて見える？｣




｢老けては見えないけど……何歳か全然分からない｣




見すぎ。と怒られたので、仕方なくサラダに意識をちょっとだけ移した





｢それで、彼女いるの？いないの？｣




｢家にこんな歳の女の子がいるのに、彼女なんて作れるわけないでしょ｣




｢私のせい！？……それもそうか｣




｢あーいや……｣




パパの言うのもごもっともだ
連れ子かと疑われるし、頑張れば私がパパの彼女にだってなれないこともない年齢差だ



だってパパが20代なら、パパが29だとしても10も離れていないのだから

57→←55

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す